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take 1 (動)
 In a proposal sure to go nowhere, because sports and money are as revered here as in the United State, a group of lawmakers has proposed that soccer matches be shown on television only after 9 p.m. because it does not take a lip reader to see the players constantly using curse words when addressing referees. (JT 05-03-18, 6)
 無意味に終わることの確実な提案ではあるが――なぜならスポーツとマネーはこの国でもアメリカに劣らず尊敬されているゆえに――、国会議員のあるグループが、サッカーの試合はテレビで午後 9 時以後にのみ放映されるべきである、とのことを唱えている。なぜならば選手たちがレフェリーに物をいうのにたえず下品な罵り言葉を使っていることを知るのに読唇術の専門家はいらないほどの状態なのだから、というのだ。――英文中の known as については known (動) の項目を参照

▼ 「(あることを) 必要とする」

  次はことわざ。 ex. It takes two to make a quarrel. 1 人でけんかはできない。けんかは両方が悪い (TGE3)  なお用例として of 4 (前)spare (動) の項目の英文をも参照。  参照文献  ホーム


take 2 (動)
 Ebay dealers are quick to tell you their internet business can be turbulent, even on the upper rungs of the sales ladder. // "Last year was horrendous for me; my business sagged," said Mike Lazar, a Philadelphia area video dealer who had been one of the site's biggest sellers, auctioning nearly 10,000 close-out movies a week. After he lost a key supplier, sales took a hit. Now he lists 1,000 titles a week on eBay and remains profitable by also selling at rivals such as Amazon.com. (JT 05-07-04, 15)
 ebay の出店者たちがすぐにでも口にすることは、彼らのインターネット商売は激変を覚悟しないといけない、ということだ。販売ランキングの比較的上位の層にいる店ですらそうなのである。// 「昨年は私にはひどい年でした。うちの店はすっかり落ち目になって」 フィラデルフィア地区でビデオを扱っている M. ラザー氏は言った。かって一週間に一万点近くの旧作映画をオークションにかけ、ebay における最大規模の出店者の一人だったことのある人だ。彼はある重要な出品者を失ったことで売上げに打撃をこうむったのである。現在彼は毎週一千点を Ebay のリストにのせているが、同時に Amazon.com といったライバル市場にも出店することで黒字を確保している。 ――英文中の the upper rungs については more 1 (副)の項目を参照。 

▼ 「こうむる」

  すなわち 「取る」 の場合とは反対の心理的状況になるといえる。ex. take a beating 敗北を喫する (TGE3)  なお英和辞典には 「我慢」 と結びついた例が多く載せられていた。ex. I'm not taking any more insults from her. もうこれ以上彼女に侮辱されているつもりはない (KGR2)  参照文献  ホーム


take 3 (動)
 The book "Sentimental Journey" (1971) was an astonishingly frank account of the couple's honeymoon; his images are combined with Yoko's words, and according to Yoko, her aunt was so shocked by the exposed young bride that she had to take to her bed for three days. (JT 05-11-10, 3)
 『センチメンタルな旅』 という書物 (1971) はこの二人のハネムーンについての驚くべきほどに率直な報告である。彼の写真作品が陽子さんの言葉と組み合わされている。そして陽子さんによれば、彼女の叔母さんは赤裸々な若い花嫁の姿にあまりにも衝撃をうけたので、三日間ほども彼女のベッドへと通わざるをえなかったのだという。 ――英文中の frank account については account (名) の項目を参照。

▼ 「 〜 に行く、赴く」 ≪ take to 〜 ≫ ( 〜 は名詞相当語句)

  ただしこれには、ただ漫然と行く、という場合ではないようである。 ex. With a cry she took to the door. 一声叫んで彼女は戸口へ向かった (KDS1)  参照文献  ホーム


take 4 (動)
  Now, with the Greek rescue, Europe has finally shown the backbone to take on contagion. But it needs to do more. This is no longer a Greek crisis; it's a euro-zone crisis.   (TE 10-05-17, 52)
  さて、ギリシャの救済をもってヨーロッパはついに、悪影響を背負い込むだけの勇気があるところを見せた。しかしまだまだ、しなければならないことがある。これはもはやギリシャの危機ではないのだ。ヨーロッパの危機なのである。

▼ 「 〜 を引き受ける」 ≪ take on 〜 ≫ ( 〜 は名詞相当語句)

  仕事を引き受ける、責任を負う、など。 "on" に注意。 ex. I took on extra work to pay the bills. つけを払うのに臨時の仕事を引き受けた (TGE4) 参照文献  ホーム


tall (形)
  Tall tales and superstitions cling to the wolverine like a sorcerer’s cloak, thickly furred. A wolverine will leap from a tree to kill a reindeer. It will shadow a trapper and break down his door to devour him. Sleeping under a wolverine skin condemns a person to endless hunger。 (NG 02-06, 68)
 クズリには荒唐無稽なつくり話や迷信がまとわり付いて離れない。ちょうど魔法使いのマントのようなものだ。もっともこれにはびっしりと毛が生えているわけだが。すなわち、クズリは木の上からトナカイに跳びかかってこれを殺す。わな猟師の跡をつけその家のドアを突破して彼をむさぼり食う。クズリの毛皮の下で寝るとその者は永遠にひもじい思いをする運命になる、などと。 ――英文中の will leap については will (助) の項目を参照。

▼ 「大げさすぎる、大ぶろしきの」

  とても信じがたい、ということで、これは 「お話」 の専属語といえる。 ex. a tall story ほら (KGR2) / tall talk オーバーな話 (KGR2)  ところで、その昔アメリカ大陸の開拓民には何かとそうした荒唐無稽の言い草を愛する伝統があった (SKS 1062-63、など) 。また (したがって)、アメリカ文学で "tall tale" の大御所といえばマーク・トウェイン (Mark Twain, 1835 - 1910) である。 この用語はなかなか隅におけないのである。  参照文献  ホーム


tear (動)
Farmers rely on extensive terracing to coax crops from the earth, which is rock-hard when dry but falls apart when wet. Rainfall is rare -- around ten inches annually -- but even this small amount of water is enough to tear through the fragile land, taking the top-soil with it. Over time, tiny creeks create immense canyons.(NG 03-01, 20)
 農夫たちは大掛かりな段々畑にたよることで大地からどうにか収穫を生み出している。この土地は乾いているときは岩のように固い。しかし湿ったときにそれが崩れる。降雨は稀であって年間およそ 10 インチほど。しかしこの少量の水すらも脆弱な大地を走り抜けるのには十分であって、それにともなって表層の土を奪い去る。そして時がたつにつれて、小さな流れから巨大な渓谷が作られるのである。

▼ 「突進する」

  "tear" は自動詞である場合にこの意味もある。 "= move quickly" (LGM4) である。 ex. The children tore out of the school gates. 子どもたちが校門から駆け出して行った (KDS1) なお、上の英文では前後に "falls apart" (ばらばらになる) や "fragile" (こわれやすい) があって少しまぎらわしいが、それらとは無関係である。  参照文献  ホーム


technically (副) 
  Programs like Napster and KaZaA are designed expressly for sharing, although swapping copyrighted material isn't technically part of the concept. Still, ever more bold programs, like the fledging Earth Station 5 thumb their noses at the idea of intellectual property. (NTW 03-09-14, 3)
 Napster や KaZaA のようなプログラムは、シェア行為が行なわれることをことさらに予定しながら設計されているものだ。もっとも、著作権をもつデータの交換行為が明文化された形でそのコンセプトの一部を占めている、というわけではないのだが。とはいえ、より以上に大胆なプログラム、たとえば新登場の Earth Station 5 なとともなると、これらは知的所有権という概念をあからさまに侮蔑しているのである。 ――英文中の ever more bold については ever 1 (副)の項目を参照。


▼ 「規則 (条文) の面で言うならば」

  上の英文は注意を要するであろう。うっかり 「技術 (テクノロジー) 的に」 と取るとそれは誤りになる。実はその反対で、 「技術上ではそれを行なおうとしているのだがそのことは、(マニュアルなどとして)文章化はされていない」 の意味であるからだ。
  また、上の例はたまたま技術に関連した文章であるが、この用法は意味上当然ながら、文化的、社会的な文脈においても多く見られる。 ex. Technically he is still a student. 規則の上で彼はまだ学生だ (KLM1) しかし主要な辞書の多くにおいて 意味のみが記されていて正式な (フルセンテンスの) 例文がない。注意を促すためにこれは有る方がよいのではないだろうか。 【G4】 なお用例として、 known (動) の項目の英文をも参照。 参照文献  ホーム  || ADDENDA 


tell (動)
  Hunter knew many of them by sight and had named certain individuals, like Pete. But he noted that even longtime observers had trouble telling geladas apart. Their dark facial skin, upturned noses, and deep-set eyes vary little from one to another, and he had resorted to using injuries or scars as markers and binoculars to get a closer view of their features. (NG 02-11, 116)
 ハンター氏には彼らの多くが目で見て分かるので一部のものには名前もつけていた。 「ピート」 などのように。しかし彼は断っていたのだが、実は長年観察している者にとってすら、ゲラダヒヒを一つ一つ見分けるのは容易ではない。彼らの顔の黒い皮膚、上を向いた鼻、深くくぼんだ眼は、おたがい同士の間でほとんど違っていないのである。それでハンター氏のとってきた手段は怪我や傷の跡を目印に用い、顔立ちをより詳しく見るために双眼鏡を使用することなのであった。

▼ 「 〜 を見分ける」 ≪tell 〜 apart≫

  慣用句。 ex. You can't tell the twins apart. あのふたごは識別できないほど似ている (KDS1)  なおこの表現は辞書では "apart" のところで扱われる慣わしになっているようだ。少し不自然な感じがするのだが、かりに "know 〜 apart" でも同じ意味になるからだろうか。しかしもちろん、"tell" そのものもまたこれ自体として 「見分ける」 の意味をもちうるわけである。ex. tell wheat from barley 小麦と大麦を見分ける (KDS1) 参照文献  ホーム


telling (形)
  The qualities these stories celebrate are telling. Competence--as manifested in a pilot with a perfect feel for his machine. Sacrifice--in a captain who would trade himself for the sake of his crew. Persistence--in the singer who knew from adolescence that this was what she wanted and would allow no humiliation to deter her. (TE 09-05-18, 52)
  これらのストーリーが褒め称えているキャラクターには強く心に訴えるところがある。力量――みずからの操縦機にたいする完璧な感覚を備えもったパイロットに見ることができるような。犠牲の心――みずからの乗組員一同のために自身を投げ打つことを望んだ船長のものであったような。そして、粘り強さ――これこそが私の願い、と早くから自覚し、いかなる屈辱も妨げにならせなかった一人の歌手のものであったような。

▼ 「印象的な、強い訴えがある」

  効果的な、キツイ、ともいえる。 ex. a telling blow to the jaw あごへの有効な一打 (TGE4) 参照文献  ホーム  || ADDENDA


tender (形)
 The Yankees' Hideki Matsui extended his hitting streak to nine games with a double and a run scored. Matsui, who is playing on a tender ankle and was used as the designated hitter, homered in his previous two games and has driven in nine runs in four games. (JT 05-06-20, 20)
 ヤンキーズの松井秀喜は二塁打 1、得点 1 。連続試合安打を 9 に伸ばした。故障のある足首をかかえてプレーし指名打者として起用されてきた松井は先の 2 試合でもそれぞれホーマーを放ち、ここ 4 試合では 9 打点を叩き出している。(→ run

▼ 「こわれやすい」

  あるいは 「デリケートな」  この形容詞は 「やわらかい」 (tender meat)、「やさしい」 (tender heart)、「傷つきやすい」 (tender blossom) などのようにいろいろに使われるが、当面はこの 3 番目の用法にあたる。 ex. a tender constitution 虚弱な体質 (KNC6) なお用例として,proceed (動) の項目の英文をも参照.  参照文献  ホーム



 less than

 nore than


that (関代)
  Sitting on the witness stand in a tiny courtroom in northern Connecticut last week, Theodore J. Forstmann looked every bit the Wall Street Master of the Universe that he is. // "What is a junk bond?" a lawyer inquired. "You're really asking the wrong person," Mr. Forstmann replied. (NTW 04-06-06, 5)
 先週のことコネティカット州北部の小さな法廷の証人席に腰掛けて、T. J. フォーストマン氏はどこから見てもさすがにウオール街の大帝王であるという風貌に見えた。// 「ジャンクボンドとは何ですか」 一人の弁護士が尋ねた。「ご質問の相手をお間違えですな、じっさい」 フォーストマン氏は答えた。

▼ 「 さすがに A であるといえる B 」 ≪ A that B be ≫ ( A と B はそれぞれなんらかの名詞相当語句、be は be 動詞)

  説明がどうしてもややこしくなるが、一つの類型となっている表現の方式である。上記の "that" は関係代名詞 (主格)、"A" がその先行詞、"B" はつづく be 動詞にたいしての主語、したがって関係代名詞 "that" は be 動詞の補語に相当する。
  関係代名詞がそれが導く節の中での補語である場合は、関係代名詞が節内の主語や目的語である場合にくらべると出現の頻度ははるかに小さい。ただ比較的よく見られるのは " A, which B be "(コンマに注意) というものである。もっともこの関係節は追叙的であって 「 A。なお、B はそれなのであるが」 の意味になる。しかし当面のものは "that" が制限的であって (コンマはない)、意味は 「 B がすなわちそれなのであるところの、A 」 というようなことになる。
  自然な日本語としてこれをどう表わすか、はかなり難しい。しかし次の英和辞典の例文とその訳が参考になる。 ex. Like the artist that he is, he does everything so neatly. さすがに彼は芸術家だけあって何でも手ぎわよくやる (KNC6) こちら の末尾をも参照。)
    参照文献  ホーム ADDENDA
 



 but that  ...

 enoughthat 。。

 given that  ...

 not that  ...

 powers that be

 that said


the 1 (冠)
 Even before the first snap, commissioner Paul Tagliabue declared the NFL's first regular season game outside the United States a rousing success -- and a prelude to the sport's future. (JT 05-10-04, 20)
 ゲームそのものの開始にすら先立っているものの、コミッショナーの T. タグリアビュー氏は、NFL による国外初のレギュラーシーズンのゲームはめざましい成功であってアメフト競技の未来にとっての序奏となるものである、旨の宣言を行なった。

▼ 「すなわちこの (その) 」

  つまり形容詞の "this", "that" と同列。文法上ではいわゆる 「前方照応」 の "the" ――「すでに述べられたものを表わす」 (YSI 133-34) ―― ということになる。 ex. He bought a book at Kanda. The book was about semantics. 彼はきのう神田で本を 1 冊買った。それは意味論の本であった (YSI 133-34) 上の英文ではアメフトという単語は出ていないが、事実上それはすでに言及されていると見るべきである。
  ありふれた用法であるがときには要注意。たとえば "the sport" となっているときなどはそうである (英字新聞にはこれがよく出てくる)。これがスポーツ一般を指すのではないことに気付かず、たとえば上のような場合なら 「スポーツの未来」 のように訳してしまう人が多いのである 。 参照文献  ホーム


the 2 (冠)
 The many peoples who have lived on this land in past ages have not always been so much at odds. A cache of letters uncovered in a cave in the Judean desert on the southern fringe of the West Bank 40 years ago chronicles the daily life of Babatha, a second-century Jewish woman. Babatha describes Jews and Arabs coexisting without friction. Just a hundred years ago Jews, Christians, and Muslims living in Jerusalem routinely attended each other’s religious festivities. (NG 02-10, 106)
 過去の時代にこの土地に居住したことのある数多い民族が、何時の場合もこのような激しい不和の状態にあった、ということは言えない。ヨルダン川西岸地区の南端、ユデア地域の砂漠の洞窟で 40 年前に発掘された貴重な書簡の数々が、紀元 2 世紀のユダヤ人女性ババーサの日々の生活を記録にとどめている。ババーサはユダヤ人とアラブ人とがなんら摩擦なく共存している様を描く。またほんの 100 年ほど前も、エルサレムに住むユダヤ人、キリスト教徒、イスラム教徒は定例的にお互いの宗教的祝祭に顔を出していたのである。 ――英文中の many peoples については people 2 (名) の項目を参照。

▼ 「  ...であるところの 〜」 ≪the 〜  ...≫ ( 〜 は名詞相当語句。  ...は形容詞的修飾をはたすなんらかの関係詞節、中に主語、述語動詞が含まれる)

  上の英文の冒頭にわざわざ (?) 付けられている "the" について考えておこう。ここは 「 … に住んだことがある民族は多いがそれらは」 であって、 「 … に住んだことがある民族の多くは」 ではない。 "the" はそのことの指標になっている。
  繰り返して上記の図式に則して言うと、 "〜" は  ...の条件を満たすものの「全部」 でなければならず、それらのうちの 「一部分」 であってよい、ということにならない。なぜならば冠詞 "the" が、"〜" にたいしてこの縛りをかけているから。
  言い遅れたが、これはいわゆる 「後方照応」 ――「後ろに語・句・節などを同伴させて修飾・限定し、それによって指すものを理解させる」 (YSI 134-35)―― の "the" である。そしてもちろん、これはこれ自体としてもともとなんら珍しくはない。 ex. The book I borrowed from her is very interesting. 彼女から借りた本はとても面白い (YSI 134-35)  しかし場合によって、この "the" の 「限定・指示」 作用が (訳文のうえに) 具体的、実際的に効力を発揮することがありうる。当面はそのような事例であるといえる。  参照文献  ホーム


the 3 (冠) 
  To an outsider, hockey often seems to be the one place where Canadians unleash anarchic impulses, which might explain why they love it to such uncharacteristic excess. (NG 96 Jun, 130)
 外部の者の目でみると、ホッケー競技はカナダの人々がそのアナーキーな衝動を解き放つ、たった一つだけの場所であるように見えることが多い。そしてこの事情をみるときに、彼らがホッケーをかくも彼らに不似合いなほどの過剰さをもって愛する、その理由が分かるとも言えるかもしれない。

▼ 「  ...であるような、唯一つだけある 〜」 ≪the 〜  ...≫ ( 〜 は名詞相当語句。  ...は形容詞的修飾をはたすなんらかの関係詞節、中に主語、述語動詞を含む)

  これも「後方照応」の "the" (前項目の the 2である。上の英文の当該部の "the" は、仮にこれがないとしても (the one place → one place) その個所は文法上完全に正しいであろう。しかしその意味は、「ある一つの場所」 になる。つまり、この当面の place (場所) 以外にもこれと同じ性質の place が存在する (するかもしれない)、といった旨が含意される筈である。しかるにここは "the" があることによって、そのような place はこれ以外には存在しない (しえない) 旨が意味されているわけである。
 つまりこうして見られるように、この 「後方照応」 は "the" を生起させるための 「十分条件」 にならない。「後方照応」 に加えてさらに詳しい条件が待ち構える場合がありうる、ということになる。 「十分条件」 や 「必要条件」 にわざわざ言及をしないのはひろく語学の言説一般の普通の慣行であるように見える、しかしここはあえて、その種類のことを考えてみたくなるケースであるといえる。こちら の末尾をも参照。) なお、同様の事例に one 1 (代) の項目でも触れる。
  ただし残念ながら、"the" のこうした用法は辞書にはなんら触れられていない。英文解釈の立場からは十分注目に値する問題であると思うが。 ―― 【G4】(新しい版においてあらたに He is the victim of that crime. と He is a victim of that crime. の対比が示されるようになった。) 参照文献  ホーム  || ADDENDA


the 4 (副)
 Should such changes continue, some scientists fear that the intricate mosaic of boreal forests and wetlands could undergo significant transformations, such as bogs drying out and temperate species intruding from the south: An expansion of industrial activity into the north woods would probably exacerbate such changes. That is all the more reason, conservationists argue, to protect large areas of boreal forests, with their abundance of an increasingly scarce commodity: boundless wilderness. (NG 02-06, 63)
 一部の科学者たちが怖れていることだがこうした変化がもし続くなら、北国の森と湿原の入り組んだモザイクは重大な変化 ――沼地の枯渇、温帯性植物の南からの侵入―― をこうむることになりかねない。また産業活動がもしこの北国の森にまで拡張されるなら、そうした変化の影響はさらにひどくなるであろう。そして自然保護論者たちの主張によればすなわちこのことが、果てしない自然 ――いまや稀少性を増大しつつある 「商品」―― をふんだんに備えた北国の大森林地帯を保護すべき、より一層の理由となっているのである。 ――英文中の Should such changes continue については should 2 (助)の項目を参照。

  I have given up newspapers in exchange for Tacitus and Thucydides," he wrote to John Adams, "and I find myself much the happier." (TE 09-02-02, 60)
  「私は新聞をやめにしてかわりにタキトゥスやトゥキディデスを読むことにした」 彼はジョン・アダムズへの手紙にこのように書いている。「するとおかげで、私はずいぶん幸せになれたのである」 ――英文中の
find myself については find 2 (副) の項目を参照.

▼ 「(あることのために) それだけ一層」 ≪ (all) the more 〜 ≫ ( 〜 は名詞、形容詞相当語句)

  これはイディオム。 ex. The problem is all the more worthy to tackle because it is difficult. 問題が難題であるだけに、いっそう取り組みがいがあるのだ (KDS1) (ただ、"all" が省略されることがありうる。) この用法の "the" は意味が 「その分だけ」であって、品詞としては副詞にあたっている。そして "the" の直後になんらかの形容詞、あるいは副詞の比較級が入る。
  ただし上の第二の英文では、 "the" によってむしろ 「そのことのために」 が表わされているような感じになっている。つまりもともと副詞 "the" にはこのニュアンスも含まれているのであろう。  なお、より基本的な方の用例として even (副) の項目の英文 (二番目) をも参照。
    参照文献  ホーム  || ADDENDA



 the less [more] ... 〜

 all the more

 the other


their (代)
  The Independence Day of Sri Lanka is nevertheless an important occasion when the people of our country contemplate the Island's re-emergence as a sovereign nation 57 years ago. // On this historic day, I take this opportunity to extend the greetings of the government and the people of Sri Lanka to their Imperial Majesties the Emperor and the Empress, the members of the royal family, the government and the friendly people of Japan. I also take this opportunity to greet all Sri Lankans living in Japan. (JT 05-02-04, 5)
 しかしながらスリランカの独立記念日はわが国の国民にとって 57 年前のこの島国の独立国家としての再出発に思いを致す重要な機会であります。// この歴史的な日にあたって私はここに、天皇皇后両陛下、皇族方、日本国政府、および日本の友好的なる国民各位にたいして、スリランカ国政府、ならびに国民よりのご挨拶を申し上げます。さらに私はここに、日本国在住のスリランカ全国民各位にもご挨拶を申し述べます。

▼ 「両陛下」 ≪ their Majesties ≫

  国王などなどを呼ぶ呼び方。 変化を一応全部記しておくと、二人称単数 "your Majesty" 二人称複数 "your Majesties" 三人称単数 (王) "his Majesty" 三人称単数 (女王) "her Majesty" 三人称複数 "their Majesties" そこで次の例は二人称である。 ex. Your Majesty forgets. 陛下はご失念なさいました (KNE6)。 なお用例として、 spell 1 (名) の項目の英文をも参照。  参照文献  ホーム


then 1 (副)
 "Watch this," Ben Kilham called out as we tramped through the New Hampshire woods one fine summer's day. Ben wandered off the path, hunted around for a few minutes, then got down on all fours. Almost immediately two black bear cubs came barreling out of the bushes toward him. Most people would be rather put off by this, but then few have the relationship with bears Ben does. (NG 02-03, 90)
 「これを見て!」 夏のある晴れた日、われわれがニューハンプシャーの森の中を縫うように歩いているとベン・キラムが声をあげた。ベンは道をはずれて歩き出し、数分のあいだ捜しまわると、次に身をかがめて四つんばいになった。ほとんど間をおかず、2匹の黒い熊の子が茂みの中から彼の方へと走り寄ってきた。大方の人がこれにはやはり度肝を抜かれることだろう。いやその前に、熊たちとの間にベンが持っているような関係を持っている人はまずいないのである。

  The 500,000-odd semi-arid acres in the Sacramento Valley make up a microclimate, one of three in the world, where japonica rice flourishes (others are in Japan and Australia). This is not the swampland of traditional rice paddies, but then japonica is not traditional rice. Unlike long-grain Indica, the fluffy rice that feeds most of the world, California's short- and medium-grain japonica cooks up moist and sticky. This is sushi rice extraordinaire. (NTW 03-10-12, 5)
 サクラメント盆地の半乾燥性の 50 万エーカー余の土地は日本米の生育に適した局地気候を形成しているが、この気候は日本、オーストラリアと並び、世界に 3 つほどあるそれの 1 つだ。ここはコメの伝統的な耕作地である沼地ではない。しかしそもそも日本米というものが、伝統的に知られているコメではないのである。長大な米粒をしたインド米、つまり世界の大多数の地で食糧とされているふわふわとした米とは異なって、カリフォルニア産の短小ないし中型の粒の日本米は、炊飯をすると湿っぽい、粘っこいものになる。これがすなわち、極上の寿司米となるのだ。

▼ 「 しかしそもそも」 ≪but then≫

  これは KLM1 に 「直前に述べたことがそれ程驚くべきことではないという見解をつけ加えるときに用いる」 と説明されている用法である。 ex. She is selfish. But then, who isn't? 彼女はとても身勝手だ。でも、そうでない人がいるだろうか (みんなそうだ) (KLM1)
  すなわちある陳述の直後に、それについてまた一つ別の角度から見たことを言い添える。そして観察の対象物からより一歩退いた、つまりより幅広い、客観的な見方が提示される。「驚くべきことではない」 とはそういうことなのであるといえる。結局これは 「実はそもそも」 と訳せるのである。念のために例文をもう一つ挙げよう。 ex. I failed, but then, I never expected to succeed. (失敗したが大体成功するなどとは思っていなかった)(KNC6) 
  しかしここでこの "then" をただ何気なく 「それから」 「それで」 と取ってしまうと話が反対方向に行く。 "then" は 「それから」 ではない。論理の前後関係を言うならむしろ 「その前に」 の方に近い。それは場合によって、文章全体の論理の理解にも支障をきたしかねないであろう。
  しかしながら私の見るところ、大学教養教育テキストの英文にこの表現が出てくると ――それは少しも珍しくないことである―― 、非常にしばしば、そこには何も注釈が付けられていない。これは注釈者の方の 「ここは考えさせる方がよい」 という教育的考慮があるならよいのだが、しかしそもそも (but then)、本当にそうなのだろうか? ちなみに浩瀚な語法解説書 KNSA や他のいくつもの文法概説書にも、あるいは二三の大学受験参考書の巻末索引にもこの語法は触れられていなかった (つまり入試に出ないということらしい)。 この理由が私はわからないのである。もしかすると、この表現はわが国の教室英語の一つの盲点になっているのではないのかと思うのだが。 こちら の末尾をも参照。) また、次項目 then 2 (副) でもこれに関連した事柄を扱う。  なお用例として、generation (名) の項目の英文をも参照。   参照文献  ホーム  || ADDENDA 


then 2 (副)
  "All the debate just goes by us, downstream. Nobody seems to convert anybody." He added, "There's a certain arrogance about the people in power today that makes them immune to criticism and satire. And then again, there's the argument Tom Lecher made : that satire died when Henry Kissing got the Nobel Peace Prize." (NTW 03-05-04, ?) (頁数失念)
 しかし議論はすべてわれわれ抜きに、上から下へと流されてしまいます。誰も他人のことを変えようとはしないようですし」 また彼はいう。「今日、権力を握っている人間にはある種の高慢さが見られます。そしてそれが彼らを批判や皮肉にたいして無感覚にさせているのです。まあしかし、なにしろトム・レーラーの例の言葉がありますよね。『ヘンリー・キッシンジャーのノーベル平和賞受賞、あれでもう皮肉は死んだ』 とね」

▼ 「 しかしそもそも」 ≪then again≫

  この項目は then 1 (副)を延長させて述べたい。すなわちこれは “but then” からの展開形式である。意味も同じである。すなわちおそらく、次の変化過程を経ている。 but then → but then again → (and) then again これは KNC6 や KGR2 における記載を見比べての判断であるけれども。
  そしてこれほどのバリエーションがありうるということは、すなわちこの系統の表現がいかに多用されるか、の証左であると言えよう。しかるにこの形式もまた、わが国で不適切に閑却されている、と言わざるをえないのではないのか。ex. This is better, and (but) then again it costs more. このほうがよいが、また一面高価だ (KGR2) again のところ)  なお用例として effects (名)の項目の英文をも参照。  参照文献  ホーム  || ADDENDA 


then 3 (形)
  No one knows the exact number killed during Bangladesh's bloody struggle for independence in 1971 when the territory of East Pakistan severed its unnatural bonds with then West Pakistan, a thousand miles away on the other side of India. (TE 08-10-20, 54)
  バングラデシュの 1971 年の血染めの独立闘争 ――このとき東パキスタン地域はインドをはさんで 1,000 マイル離れた当時の西パキスタンとの不自然な絆(きずな)を断ち切った―― における死亡者の正確な数は誰にも知られていないことである。

▼ 「その当時の」

  この単語はもちろん同じような意味で副詞として (「その当時に」) 使われることが多いが、これはその形容詞としての用法である。そして、これはむしろ文章語であってなんら崩れた言い方にならない。この点は念のため。 なお、直前に "the" が伴っている場合もよく見る。 ex. the then President of the USA 米国の当時の大統領 (KLM2)  参照文献  ホーム  || ADDENDA



 every now and then


they (代)
 The marriage between textiles and technology made perfect sense, she said. "We surround ourselves with textiles. You come out of the womb, and they wrap you in a cloth; then they put you away in a coffin in a cloth. When you get out of the bath, you wrap yourself in a towel. It seems natural that what we wear should be combined with technology." (NG 03-01, 72)
 繊維とテクノロジーの結婚は理にかなっています」 と彼女は言った。「私たちは自分自身を繊維で包んでいます。私たちは子宮から生まれ出ると一枚の布にくるまれます。やがて、棺の中で一枚の布にくるまれておさらばとなります。またお風呂から出ると自分自身をタオルに包みます。私たちが身につけるものがテクノロジーと結びつけられる、ということは当然のことであるように見えます」  ――英文中の should be combined については should 3 (助) の項目を参照。  

▼ 「世間一般の人々」

  いわゆる 「総称」 の "they"。 すなわち "people" をあらわす。 ex. They will laugh at you if you say so. そんなことを言うとみんな [世間] が笑いますよ (KLM1)  これはしばしば日本語に訳しにくい言葉であると思う。  参照文献  ホーム


thick (名)

  So I find myself hoping that the other messages traveled just as far -- that even in the thick of a historic campaign season, leaders from left and right, from politics and religion and culture, rallied in defense of both American values and Islam's Scriptures.</FONT> (TE 10-09-27, 52)

  そこで私としては、他方のメッセージもちょうど同じ程度に行き渡った、とのことを望みたい気持なのである。つまり、この史上稀なる示威運動シーズンの真っただ中にあってすら、左派、右派、政界、宗教界、文化界のリーダーたちがアメリカ的価値観とイスラム教教典の双方の擁護のために声を揃えた、といったことを望みたいのである。 ――英文中の find myself hoping については find 2 (動) の項目、just as far については as 3 (副) の項目を参照。

▼ 「真っ最中」

  「たけなわ」 もっとも密度が高いところ、といいったことになる。 ex. His regiment was in the thick of fighting. 彼の連隊は戦闘のまっ最中だった (ORE1)  参照文献  ホーム


third (名)
  With war in the south and trouble in Bangkok, perhaps a third to half of the military's personnel are now deployed against the citizenry. No wonder unflattering comparisons to neighboring Burma abound.  (TE 10-05-31, 48)
  同国南部での戦闘とバンコックでの騒乱のもとで、現在おそらく軍部在勤者の三分の一ないし半数が一般市民との抗争にたずさわっている。隣国ビルマと比較しての、決して嬉しくないコメントが多いのも無理からぬところだ。

▼ 「三分の一」 ≪ a third ≫

 分数の表わし方をかりに "third" を使って述べておきたい。分数は初めに基数詞 one, two, three, ... が記されてこれが分子。その次に序数詞 third, fourth, fifth, ... thousandth, millionth, ... が記されてこれが分母である。分子は "a (one) third" だけが単数形。あとは複数として数えるので、"two thirds/ three thirds/ ..." のようになる。 ex. One third of the houses there were burnt down. そこの住宅の3分の1が消失した (TGE4) 参照文献  ホーム  || ADDENDA


those 1 (代) 
 Wed to the river's ebb and flow, clammers harvest the "gold of the delta" where the Po meets the Adriatic. Dark and powerful, sinister in flood, Italy's longest river brings both peril and prosperity to those hardy enough -- or lucky enough -- to live within its reach. (NG 02-05, 92)
 川面の潮の満ち干に身をゆだね、ポー河がアドリア海へと注ぐこの箇所でハマグリ漁を営む漁師たちは 「デルタの黄金」 を収穫する。黒々としてパワフルで、増水時には不吉な様相となるイタリア最長のこの河は、その流域の内に住むだけの強靭さを有しかつそれだけの幸運を有する人々に、危険と繁栄をともどもに届けるのである。

▼ 「 人々 」

  すなわちたとえば、ex. Those who can, do; those who cannot, teach. できる者は行ない、できない者は教える (KGR2)  あまり珍しくない用法なのになぜ、と訝られるかもしれないが、実はこれは次の those 2 への準備も兼ねているつもりである。 なお用例として、lend (動)removed (形) の項目の英文をも参照。  参照文献  ホーム


those 2 (代) 
 "Everywhere you see," says MacDiarmid, sweeping his shepherd's crook in an all-encompassing arc, "I have gathered sheep. And I can tell you this: You cannot gather sheep from these hills without dogs. Never could and never will ; never, never, ever!" // This ringing endorsement is a comfort to those of us who keep dogs but sometimes wonder why. (NG 02-01, 15)
 「こうやってあちらでもこちらでもね」とマクダーミッドさんは、羊飼いの杖で大きく包むような弧を描きながら言う。「私は羊を飼ってきた。それでこれは言えるけれどもね、犬がいなくてはこういう丘から羊を寄せ集めることはできない。絶対できなかったしこれからもできない。どうしてもこうしても、いつ何時であってもね」 // この鳴り響くような保証の一言は、犬を飼っておりながらいったいこれはなぜなのだろう、と時折考えてしまうわれわれを、ちょっとした満足の気分にさせるものだ。――英文中の never, never, ever については ever 1 (副)の項目を参照。


▼ 「 . . . であるようなわれわれ」 ≪those of us who  ...≫ (  ...は関係詞節、中に主語、述語動詞を含む)

  この構文形式は時折見かける、しかしこれを日本語に直そうとすると "those" (前項目 those 1 を参照) というものがどうしても邪魔になってしまう。なぜならここでは、この部分になんら積極的な意味があるように見えないからである。翻訳をするなら実際上無視せざるをえない言葉ではないだろうか。
  繰り返すが、これは決して珍しい言い方ではない。しかしながらこの言い回しのことは、実はいかなる辞書にも触れられていない。 【G4】 【L2】 また調べた限りでの文法書 参照文献 を参照 )にも説明はなかった。いずれどこかで論じられていない筈はない性質の問題であると思うのだが。
  ただそれにしても、この "those" はいったい何の存在理由によるものなのか。関係代名詞 (制限的用法の) が先行詞として一人称の代名詞を取ることを嫌っている ("those of you who ..." もありうるがそのときは二人称を避けている)、という感じはありそうな気もするのだが、それではたして正解なのだろうか。またすくなくとも、"us, you" は小さな単語なので関係詞節の先行詞としては貫禄に欠ける。その点を補う効果は有りそうである。――以上の点について諸賢のご助言を仰ぎたいと思う。あるいは、言及のある文献をご存じの方、どうぞお教えを。こちら の末尾をも参照。) 参照文献  ホーム  || ADDENDA


time (名)

  Over time , Libyans will then decide Gaddafi's fate. We saw a similar case when Slobodan Milosevic, the Serb leader, fell after the Kosovo war of 1999.  (TE 11-04-04, 55)
やがてリビア国民がカダフィの運命を決める段取りになる。われわれはこのようなケースを1999年、コソボ紛争後のセルビアの指導者、スロボダン・ミロシェヴィッチの失脚に際して見ているのだが。

 ▼ 「そのうちに」 ≪ over time ≫

これはイディオム。 Ex. Evertthing changes over time. 時がたてばすべて変わる (TGE4) 参照文献  ホーム


times (名)
The brilliance of ancient Egypt, as revealed by excavations in the 1800s, filled the Egyptian Museum at its opening on November 15, 1902. Since then, legendary archaeologists have uncovered many times more riches -- grand statues, mysterious mummies, and Tutankhamun's gold. (NG 03-01, 76)
 1902 年 11 月 15 日、1800 年代での採掘によって世に知られていた古代エジプトの光と輝きが当日開館のエジプト博物館を満たした。そしてそれ以来、著名な考古学者たちがそれをまた数倍も上回る財宝 ――雄大な彫像、不可思議なミイラ、そしてツタンカーメン王の黄金―― を掘り起こしてきている。

▼ 「 … 倍」

  倍数をあらわし掛け算に使われる。 ex, Four times five is [equals} twenty. 5 の 4 倍は 20 です (TGE3)  動詞が単数になることに注意。なお、上の英文の当該部分はたとえば "much more riches" のような表現に並行している形である。 参照文献  ホーム  || ADDENDA


title (名)
 What matters to the *rickshawala* [scooter driver] is that the cops not take away a sixth of his daily earnings. The farmer wants a clear title to his land without having to bribe the patwari {village accountants}. The sick villager wants the doctor to be there when she visits the primary health center. (NTW 04-06-06, 7)
 スクーターの運転手にとってのわずらい事は、警察官が彼の日収の 6 分の 1 を召し上げて行くのをやめてくれないか、ということである。農夫は自分の土地にたいして、村の収入役に賄賂を贈る必要のないクリーンな所有権を望んでいる。病弱な村の女性の願いは、彼女が一次診療の保健センターを訪れたときドクターがお留守の状態でないように、ということである。

▼ 「不動産などの所有権」

  ちなみに不動産の権利証書は "title deed" である。ex. He has the title to this house. この家の所有権は彼にある (TGE3)  参照文献  ホーム


できるだけ英文の方を先にお読みください。



to 1 (前)
 Even where the trees have withstood the blasts, very often their fruit or nut crops have not. I walked a trail very recently to a steady crunching sound of acorns underfoot. No doubt rodents are having a field day, given the unexpected bounty on the forest floor. (JT 04-10-22, 15)
 木々が突風を耐えぬいたところであってすら、木々からとれる果実やナッツはそうはゆかなかった場合が多い。私はごく最近、足下にドングリの実のつぶれる音を聞きながらとある山道を歩いた。リスたちが大喜びをしていることは間違いない。森の地面に思いもしなかったような大恩恵を手に入れたのだから。

▼ 「 〜 に合わせて」 ≪ to 〜 ≫ ( 〜 は名詞相当語句)

  音楽に合わせる場合が有名。 ex. dance to the music 音楽に合わせて踊る (KGR2) 択一問題の定番? なお用例として、only 2 (副)satisfied (形) の項目の英文をも参照。 参照文献  ホーム  || ADDENDA 


to 2 (前) 
  This is Peru, in the sort of terrain where an early adventurer, P. H. "Exploration" Fawcett, thrilled his readers with reports of a monstrous black tarantula that "lowered itself down at night on the sleeper beneath, and its bite meant death." As it happened, Fawcett later vanished in the jungle. We somehow live to tell the tale. (NG 96 Sep, 100)
 ここはぺル−である。つまり、初期の冒険者 P. H. E. フォ−セット (自称「探検家」) が黒い巨大なタランチュラコモリグモについて報告する――「こいつは夜になると足下に眠る人間の上にしずしずと降りてきた。そしてこれに咬まれることはすなわち死を意味した」――ことで彼の読者を戦慄させた、そういった種類の土地なのである。運命というものか、このフォ−セットはその後日、密林の中に消息を絶った。われわれはどうやら生き延びて、おかげをもってこの話をお伝えする次第なのだが。

▼ 「  ...であってその結果、これこれといったことになる」 ≪  ...to do≫ ( ~ ...は中に主語、述語動詞を含んでいる各種の形式、do は何らかの動詞の不定形)

 前置詞句 「to 不定詞」 の副詞的用法の、「結果」 をあらわす用法。その中の、「事の成り行き」 をあらわす用法である。すこし当たり前すぎるかもしれないが、一つの類型をなしているものとして取り上げておくことにする。 ex. The rocket went up into space, never to return. ロケットは宇宙空間へ行ったきり二度と帰ってこなかった (KLM1) なお用例として only 3 (副)の項目の英文をも参照。  参照文献  ホーム


to 3 (前)
  To her critics, she is also delusional to believe that being governor right now was getting in the way of being President one day in the future.   (TE 09-07-20, 52)
  彼女の批判者たちから見ると、彼女が今この時点で知事になっていることが将来のある時点で大統領になるにあたっての妨げになる、と考えているのは妄想家めいたことに当たっているのだ。 ――英文中の getting in the way of については way 5 (名) の項目を参照.

▼ 「これこれするとは 〜 なことである」 ≪be 〜 to do≫ ( 〜 は形容詞相当語句、"do" はなんらかの動詞の不定形)

  前置詞句 「to 不定詞」 の副詞的用法のうちの、「原因、理由」をあらわす用法である。"to do" のところが,形容詞相当語句が表わしている判断の根拠になっている。 ex. He must be crazy to believe such nonsense. そんなたわごとを信じるとは彼は頭がおかしい (TGE4)(ORE1) 参照文献  ホーム  || ADDENDA


to 4 (前)
  Asia's economic strength stems not from some ancient Chinese secret or special economic model, but from simple, old fashioned free enterprise--the kind Americans love to love. (TE 10-03-01, 48)
  アジア経済の強さの源となっているものは、何らかの古代中国の秘法ではないし、また何らかの特別な経済モデルでもない。それは単純にしてしかも旧式な自由企業、つまり、われわれアメリカ人が好むのを旨としているタイプの自由企業なのである。

▼ 「 ...することを ...する」 ≪ 〜 to 〜 ≫ ( 〜 は動詞の不定形。二つの 〜 は同一語)

  時折見ることのある言い回し、同一語を重ねるいわば言葉遊びである。また、この文例での効用はセンテンスの末尾が長くなり、それによって文章のバランスを良くなることなのであろう。
 たとえば "agree to agree" といえば、"agree" は意志的な動詞なので「あえて ...」といったニュアンスが備わる。このようにいくぶん強調的になるのが一般的であるかと思われる。しかし当面、"love" は無意志的なのでそれは言えない。かといってたんに逐語訳をしても不自然な感じになるのだが。  参照文献  ホーム


to 5 (前)
  To any normal person, Cassandra's genetic results are excellent: a very low chance of getting Parkinson's, breast cancer or ovarian cancer and a good chance of becoming a professional sprinter. But there was one recent study that implied that one of her DNA sequences might signify a slightly higher risk of obesity. (TE 10-03-29, 52)
  標準的などの被検者と比べてみても、カサンドラの遺伝子検査の結果は優良なものである。パーキンソン病、乳癌、卵巣癌にかかる確率がきわめて低く、優れた専門的職業人になる可能性が高い、というわけである。もっとも、彼女の DNA 配列の一つは肥満化の危険性がいくぶん高いことを示すかもしれない、とのことを意味する研究が近年に一つ有りはしたのだが。

▼ 「 〜 と比べて」 ≪ to 〜 ≫ ( 〜 は名詞相当語句)

  比較、対照を表わす。次は野球の英語の常套表現。 ex. Our team won by a score of six to five. 我々のチームは 6 対 5 で勝った (TGE4) 参照文献  ホーム



 be to do

 be to be done

 if 〜 be to do

 be up to


Tom (名)
 But as conditions get worse and 75000 jobs turn to powder in a day, the strain on survivors can only grow. It doesn't help that on TV every Tom , Dick and Suze keeps telling us that this is a good time to "dig in and show your boss how good you are. Take on extra projects. Shine at whatever you do." (TE 09-02-16, 52)
  しかし状況が悪化するにつれ、一日あたり 7 万 5 千もの雇用が粉みじんとなるにつれて、まだ生き残っている人々への負担は重くなってゆくばかりだ。テレビではあらゆる猫も杓子もがここが好機会であるなどと言い、 「一踏ん張りをして上司に君の有能さを見せたまえ、通常外の企画を引き受けたまえ、何をしているにせよそれで目立ちたまえ」 などと言い続けているが、そんなことは何の役にも立ちはしないのである。

▼ 「誰でもかれでも」 ≪ (any/ every) Tom, Dick, and/or Suzie ≫

  これは元来 "Tom, Dick, and Harry" と称されてきたものの新しいバージョン。 旧来のものはフェミニズムにも現実にも反しているということで。そして古い方は当然ながらどの辞書にも出ているが (「猫もしゃくしも」 (KGR2) )、この新型の方はまだ辞書にはのっていなかった。ある程度古い日本語の 「太郎、花子」 (今なら 「翔、聖子」 ?) に似ている。 ex. We don't want any Tom, Dick, or Harry using the club bar. (OAL6)
  なお人名はすべて愛称であって正式の名前は、 Tom = Thomas, Dick = Richard, Harry = Henry, Suzie = Susanna である。 (上の英文に "Suze" とあるのは "Suzie" のことであろう。) 参照文献  ホーム


too 1 (副)
  Our teams work with their counterparts in government to help put in place systems to ensure that decisions made at a presidential level actually make their way through the system of government and effect change. Too often, leaders of developing countries find that no matter how good their ideas, they don't make much of a difference if the systems aren't in place to move decisions to delivery. (TE 10-04-19, 52)
  われわれのチームは政府内でのこちらと同等の立場にある人々と協力し、大統領レベルでなされた決定が実際に政府のシステムを通じて変化をもたらすことを確実にさせるべく、システム適正化の手助けを行なっている。非常にしばしば発展途上国の指導者たちは、彼らのアイディアがいかに優れていようともシステムが決定の実施にふさわしくないときはさほどの意味をなさない、といったことを経験しているのである。 ――英文中の counterparts については counterpart (名) の項目を参照.

▼ 「非常に」(副)

  すなわち "very" にひとしい。「あまりにも」でなく「大いに」である。 ex. I was too (much disturbed by that news. その知らせにとても心配になった。 (TGE4) 参照文献  ホーム


too 2 (副) 
 The 1.5-meter rattlesnake, known only as No. 0148, isn't too pleased when laboratory technician Eladio Soares de Almeida forces its mouth open, plunges its two fangs into a cellophane-covered jar and squeezes out its deadly poison. (JT 04-10-22, 15)
 体長 1.5 メートルのそのガラガラヘビ――たんに 148 号と称されている――にとっておよそ嬉しくないことながら、実験室の技術職員 E. S. デ・アルメイダ氏はヘビの口を無理やりに開かせて、二本の毒牙をセロファンにくるんだジャーにつっこむと、その殺人的猛威のある毒を絞り取るのだ。

▼ 「 およそ 〜 ではない」 ≪not too ... ≫ ( ... は何らかの形容詞)

  程度がさほど著しくない、と言うのにとどまらず、事柄そのものをそっくり打ち消している。いわゆる 「緩叙法」 (YSIC 430) ――事柄を控えめに表わしながらがえって強い内容を含意する―― にあたる。アメリカ語法であるとされている (KNSA 1903)。 ex. I don't like it too much. 私はそれがあまり好きではありません (TGE3)  なお用例として、 fresh (形) の項目の英文をも参照。  参照文献  ホーム  || ADDENDA 


top (動)
 Few events in the universe top the drama of a super-nova, the explosive death of a star. // Stars known as white dwarfs may accrete matter from an orbiting companion and explode as the result of a runaway nuclear reaction. More massive stars, their cores fused into iron, collapse and instantaneously explode, sometimes leaving a small, dense neutron star. (NG 02-12, 49)
 宇宙の中で、超新星のドラマ ――一つの星の死―― を凌駕するほどの出来事はほとんど存在しない。// 白色矮星の名で知られる星が、軌道を回るつれあいの星 (連星) から物質をみずからに付着させることがありうる。そしてとめどなく暴走する核反応の結果、爆発をおこす。つまりより大型となった星でその中心核が核融合によって鉄と化し、崩壊し、瞬時にして爆発するののである。ときにこの後に、小さな高密度の中性子の星が残される。 ――英文中の known as については known (動) の項目を参照。

▼ 「上回る」

  新聞の見出しに好まれる、と TGE にある。たしかにスポーツの記事でよく見るように思う。 ex. I top my sister by ten centimeters. ぼくは妹より 10 センチ背が高い (TGE3)  参照文献  ホーム


touch (動)
 At the courthouse across the street Janice Potts, deputy clerk, has married 15 couples before lunch. Then Leonard Irving, a waiter, arrives with Imelda Ornelas, a housekeeper originally from Veracruz, Mexico. Jose Gallinat, a friend who escaped from Cuba in 1960, translates Potts's words into Spanish for Imelda. The scene touches everyone. (NG 02-02, 130)
 通りの向かい側にある郡役場では、副書記官のジャニス・ポッツが午前中に 15 組のカップルに結婚許可を与えた。つづいて、ウエイターのレオナード・アービングがメキシコ、ベラクルズ出身のハウスキーパー、イメルダ・オルネラスを伴って訪れる。友人のホセ・ガリナット ――1960 年にキューバから亡命したという―― がイメルダのためにポッツの言っていることをスペイン語に訳してやる。一同を感動させるシーンである。

▼ 「感動させる」

  すなわち "= affect somebody's feelings" (LGM4)  形容詞の "touching" もよく出てくるけれども。 ex. we were greatly touched by his words. 私たちは彼のことばに非常に感動した (KLM1)  参照文献  ホーム


toward (前)
  My favorite scene in SLUMDOG MILLIONAIRE comes toward the end. In the tense battle of wits between the supercilious game-show host, Prem, and the hero, Jamal. (TE 09-03-09, 52)
 「スラムドッグ ミリオネア」の中でで私の好きなシーンは終わり近くにくる。威張りくさったゲームショウの司会者プレムと主人公ジャマルとの息詰まる知恵の闘いのさなかだ。

▼ 「 〜 の少し前に」 ≪toward 〜 ≫ ( 〜 は名詞相当語句)

  つまり 「 〜 に向かって」 のように方向性を表わしてはいない。 なお、空間的に 「 〜 の少し手前に」 でもある。 ex. His house is toward the top of that hill. 彼の家はあの丘の頂上近くにある (KDS1)  参照文献  ホーム  || ADDENDA


trade (名) 
  A mandate of intellectuals is that they be open to changing their opinions. Skepticism, the weighing of options, "the ability to hold two opposed ideas in the mind simultaneously," in the words of F. Scott Fitzgerald, are the tools of the trade. Why should a liberal be required to be a liberal at all costs? What if historical events demand a revision of beliefs? (NTW 03-10-19, 4)
 知識人の義務は、みずからの意見を改変する用意を持つことである。懐疑主義、すなわち選択肢を秤(はかり)にかけること、すなわち 「心に二つの対立する観念を抱きうること」――これは F. スコット・フィッツジェラルドの言葉だが――、これがすなわち、そうした生業(なりわい)の鑿(のみ)なのであって包丁なのである。およそ進歩主義者である者にたいしては、なぜいかなる犠牲を払ってでも進歩主義者であることが求められねばならないか? たとえばもしも、歴史的な出来事が信念の改変を迫るとしたときはいかに?

▼ 「職業」

  そしてとりわけ、「熟練を要する手職業、手仕事」 (KGR2) 「手仕事」 というところに注意。 この点は柳瀬尚紀氏によっても言及されている (YNS 34, 38)。 ex. What's your trade? あなたはどんな仕事をしているのですか (KLM1) ちなみに 「労働組合」 は "trade union" また成句として jack-of-all-trades よろず屋、何でも屋 (KGR2) が有名である。
  ちなみにこれは、商業 → 職業 → 手業、という二段階の意味の転移を経ているとされる (STK 999) 。すなわちこれらは 「部分」 → 「全体」 → 「部分」 という転移で、いわゆる 「提喩」 の方法に当たっているといえる。 参照文献  ホーム  || ADDENDA


tradition (名)
 Archaeological evidence and local Maya tradition suggest that Uxmal, the largest and probably the most powerful of the Puuc cities, began to flourish around A. D. 700. (NG 02-04, 58)
 考古学的な証拠と現地マヤでの伝説から想像されるところでは、プック地方で最大かつおそらくは最強の都市ウクスマルは、西暦 700 年前後にその繁栄の緒についたのであった。

▼ 「伝説」

  言い伝え、である。 ex. popular traditions 民間伝承 (KLM1)  参照文献  ホーム


train (動)
 An officer shows off the gadgetry: night-vision cameras trained 24 hours a day on a barrier loaded with electronic gizmos that signal the precise location of anyone who touches it, ensuring that Israeli forces reach the area within two to eight minutes to stop the sort of infiltration of Palestinian suicide bombers that brought nearly 100 Israeli deaths in March 2002 alone. (NTW 04-07-18, 4)
 一人の将校が得意げに新案の小道具を見せてくれる。一日 24 時間、遮蔽物に向けて構えてある暗視カメラだ。その遮蔽物にはエレクトロニクスの細工が備え付けられてあって、それが遮蔽物に触れるあらゆる人物の位置を精確に表示する。かくして 2002 年 3 月だけで 100 人近いイスラエル人の死をもたらしたものと同類のパレスチナ人自爆テロ犯を阻止するために、イスラエル軍が 2 分から 8 分以内にその地域に到着することが確保されるのである。

▼ 「 (ねらいを定めたところに) 向ける」

 他動詞である。 "= aim something" (LGM4)  ex。train the gun on the soldiers 鉄砲で兵士をねらう (TGE3)  参照文献  ホーム


translate (動)
 Rules here, in fact, rule, the kids tell me. Worship services are mandatory. So is good behavior, which earns points -- translating to privileges like candy or outings. Bad behavior (from skipped chores to violent tantrums) means "lost privs" or a stay at the Respite House -- where offenders go to cool down. (NG 02-11, 124)
 ここではルールに実際的な力がある、と少年たちは私に言う。礼拝の儀式は義務になっていて欠かせない。行儀正しくしていることも同じだ。そしてそうすることによってポイントがもらえる。そのポイントがキャンディーの支給、遠出の許可といった特権につながるのだ。行儀の悪さ (日課をさぼることから腹を立てて暴力をふるうことにまでおよぶ) はその特権を失うことを意味している。あるいは 「休業の家」 ――違反者はここに行って頭を冷やす―― での滞在につながるのである。 ――英文中の earns points については earn (動) の項目を参照。

▼ 「結果として 〜 になる」 ≪translate to [into] 〜 ≫ ( 〜 は名詞相当語句)

 自動詞としての用法である。各英和辞典を通覧しての感想であるが、この語法は比較的近年において確立されたのではないだろうか。 ex. Any slowdown in spending may translate into rising unemployment. 消費の低迷はなんであれ (結果的に) 失業の増加となるかもしれない (TGE4) 参照文献  ホーム


travel (動)
 Mr. Farah describes a city with no centralized government, postal service, public schools or telephone system. Men defecate in the streets. To travel safely requires armed bodyguards. Membership in a clan is no protection. Your own relatives will kill you if they want what you have. (04 NTW-05-23, 8)
 ファラー氏が描いているのは中央的統治がない都市、郵便制度、公立学校、電話システムがない都市だ。男たちが路上で排便をする。安全に歩き回るには武装したボディガードが必要である。大きな血縁集団に属していることもなんら保護にならない。身内の者がもしも自分の所持物が欲しければ自分を殺しにくるであろうからだ。

▼ 「ある短い距離を移動する」

  すなわち "= to go a particular distance or at a particular speed" (LGM4) これは日本語の 「旅行する」 には決して該当しないわけである。ex. How far do you travel to your office? あなたの事務所までどのくらい距離があるのですか (TGE3)  参照文献  ホーム


treat (名)
 One of the bird's favorite treats is the *nandin* (Nandina domestica), which produces gorgeous clusters of red berries in late autumn. Luckily for the birds, *nandin*, or heavenly bamboo, is popular with humans too. *Nandin* is a member of the barberry family and native to China and Japan. (JT 05-11-16, 13)
 鳥たちのお気に入りのご馳走の一つが晩秋のころ赤い実のゴージャスな房を生む南天だ。鳥たちにとって幸いなことに、南天 ――つまり天国の竹、という意味だが―― は人間たちにも好まれている。南天はメギ科に属しており、原産地は中国と日本である。

▼ 「楽しみ (を与えてくれるもの)」

  すなわち "= something special that you give someone or do for them" (LGM4)  ex. Living in the country is a treat to me. 田舎の生活は私には楽しい (TGE3) また、ハロウイーン Halloween の日に言われる "Trick or treat" (「お菓子をくれないといたずらしてやるぞ」) において、この "treat" は 「おごり」 であることになる。 参照文献  ホーム


trial (名)
 "I will not be blackmailed. I will not have my family dragged through the mud and filth." Sheffield said in a statement read by his Chicago-based business agent, Rufus Williams. // The Yankees outfielder said his wife, Deleon, "had a long term relationship with a well known professional singer over 10 years ago." Sheffield said he had known about the relationship, which came before the couple married. // "I have not seen the alleged videotape, nor do I care to," Sheffield said in his statement. "I love my wife and I vow again to stand by her through any trial or tribulation."(JT 04-11-19, 22)
 「私は脅迫をされるつもりはない。家族を泥や汚物の中で引き回されるつもりもない」 シカゴ在住事務代理人 R. ウイリアムズ氏の読み上げる声明文の中で、シェフィールドはこのように述べた。 // ヤンキーズの外野手である同選手によれば、彼の妻デレオンさんは 「十年以上も前にある有名なプロのシンガーと長期の交際関係があった」 という。そして同選手によれば、その交際のことは承知していたが、それは二人が結婚する前に起きていたことである、と。 // 「主張されているビデオテープは見たこともないしまた見たいとも思わない」 声明文で同選手は述べた。「私は妻を愛している。そしていかなる試練や艱難を通しても彼女の助けになることをあらためて誓うものである」

▼ 「試練、艱難」

  天 (運命) がわれわれにこれを与える、ということなのであろう。ex. This is the time of trial for me. 今は私にとって試練の時である (KLM1) 上の英文ではこの後に "or tribulation" と言い足していて、これで "trial" 「裁判」 との混同がありえなくなっている。 なお用例として、whatever (関形) の項目の英文をも参照。 参照文献  ホーム


trophy (名)
  When the word got around, more couples began arriving from other states to the north. In 1936 the town issued 11,791 marriage licenses. Taxi drivers met trains and buses and vied for couples in competition that sometimes included knockdown fights. The cabbies delivered their trophies to favorite ministers in about a dozen small marriage chapels. (NG 02-02, 128)
 噂が広まるとさらに多くのカップルが北方の諸州から到着しはじめた。1936 年にこの町は 11,791 件の結婚許可証を発行している。タクシーの運転手たちは列車やバスを待ち合わせ、カップルをめぐってときにはノックアウト騒ぎにまでおよぶ争いをした。そして運転手たちはそうした戦利品を。およそ 12 ほどもの小さな婚礼用チャペルにいたお気に入りの牧師たちのところに運んだのである。

▼ 「戦利品」

  ないし 「分捕り品」 (KNE6)  すなわち、装飾品、記念品、といったこととは大きく異なる。英和辞典にはたんに意味のみが記されているが、かなり一般性の高い用法ではないかと思う。  参照文献  ホーム


trouble (名)
 But the sight of the elderly protesters being whacked by police trying to clear the road produced a wave of anger among the excited peasants, they said, and many started hurling stones across the tape. // Another protester said the crowd exploded in anger when one of the factory managers, identified as Wang Yuejin, tried to persuade police to take it easy on the elderly women and got hit with a truncheon for his trouble.  (JT 05-06-20, 14)
 老齢の抗議者たちが通路を空けようとした警官に殴打されている光景が興奮状態の農民たちの間に怒りの波を生じさせたのだ、と彼らは語った。そして多数の者が録画テープに写っているように投石を始めたのである、と。// また別の抗議行動者の話では、群集の怒りが爆発したのは工場責任者のうちの一人――王躍進さんであるとされている――が警官にたいして老齢の女性は大目に見てやってくれるようにと説得をくわだて、彼がそうした労を取ったために警棒で殴られたときのことなのであった、と。

▼ 「わざわざすること。『労』」

  よく知られた用法であるが、"trouble" の用法は他にもいろいろとありうるので。 ex. She took the trouble to drive her home. わざわざ彼女を車で家に送った(ORE1)  参照文献  ホーム


turn 1 (名)
 European diplomacy, nonetheless, often remains at odds with itself, because France, Germany and Britain still conduct their own foreign policies. The big three in turn are sometimes resented by other Europeans, as when Italy and Spain complained of being excluded when the British, French and German leaders met in Berlin last week on the coming enlargement of the European Union. (NTW 04-02-22, 3)
 しかしながらヨーロッパにおける外交関係のあり方は、依然としてそれ内部での相克をかかえたままである場合が多い。仏、独、英の各国がいまだに自国としての外交政策を執り行っているからだ。また翻ってはこれらビッグスリーが、時として他のヨーロッパ諸国の怒りを買うこともある。たとえば英、仏、独のリーダーが EU の来たるべき拡大をめぐって先週ベルリンにおいて会合をもち、伊、西両国が除外を受けたことに抗議する、といった場合がそれである。

▼ 「さて、こんどは」 ≪in turn≫

  より詳しく言うと、「さてこんどはこちらの番だが、といった感じで」、とでもなるだろうか。ex. You dislike others and you are disliked by them in turn. ひとを嫌うと、今度は自分が嫌われますよ (TGE3)
  決して珍しくない用法であろう。しかるに多くの英和辞典の "in turn" を見ると、「次々に」 「順番に」 「交替で」 などの意味(のみ)が与えられており、実はこれらは当面の用法とは何の関係もないものである。この表現は教室で読んでもらうとどうもうまくゆかない。これは要するに辞書に責任があるのではないかと思っている。  参照文献  ホーム  || ADDENDA


turn 2 (動)
 For his era, Mr. Spitz turned in a superhuman performance. He didn't just win the gold, he set four world records in individual events and shared in three world records on relay teams. Yet none of his individual times would have qualified for even the semifinals in Athens, and all of his relay teams would have finished dead last. (NTW 04-08-29, 8)
 彼の時代のために、スピッツ選手は超人間的である泳ぎを披露してくれた。彼はただたんに金メダルを取っただけではない。個人種目で 4 つの世界記録を樹立し、リレーチームの 3 つの世界記録の一員にもなった。しかし彼の個人記録はそのいずれもが、アテネ大会でなら準決勝に出る資格にすらならなかったであろう。また彼のリレーチームはすべて完璧などん尻でレースを終わっていた筈である。

▼ 「 〜 を提出する」 ≪turn in 〜 ≫ ( 〜 は名詞相当語句)

  成句である。 ex。turn in one's resignation 辞表を出す (KDS1)
  ところで、あわせて注目したいのはこの "in" という副詞 (これは前置詞ではない) である。これには "hand in" (手渡す), "give in" (差し出す) などの並行する表現がある。この "in" の意味をどのように説明すればよいだろうか。「目的のところに向けて」 ぐらいだろうか。 実は辞書にはこの "in" を副詞 "in" の用法の一つとして説明する慣行がないようである。なくても構わないのだろうか?  ――【G4】 (この版の副詞 "in"において次が 「提出されて」 の例として挙げられた。 ex. Have you turned in your essay? 作文を提出したかい(TGE4) ) 参照文献  ホーム


turn 3 (動)
 Mr. Zakaria, the editor of the Newsweek International, turned on the Administration shortly after the occupation began. // “All the big mistakes were made in the first three or four months, when the administration didn’t send in enough troops and spurned international cooperation," Mr. Zakaria said. (NTW 04-05-16, 3)
 ニューズウイークインターナショナル誌の編集長ザカーリア氏は占領直後の政府のあり方に矛先を向けた。 // 「すべての大きな間違いは最初の 3、4 ヶ月以内に犯されました。このとき政府は十分な軍隊を投入することがなく、また国際的な協力も撥ね付けていました」 とザカーリア氏は述べた。

▼ 「 〜 に攻撃を仕掛ける」 ≪turn on 〜 ≫ ( 〜 は名詞相当語句)

  これも成句である。たんなる 「 〜 の方に向く」 ではないことに注意。 ex. Don't tease the dog; it may turn on you. (。、、)あなたに襲いかかるかもしれませんから (KLM1)  参照文献  ホーム


turned (動−分詞)
 The best director nominations set up a classic face-off between two revered veterans, the 63-year-old Scorsese, who has not won an Oscar in six previous tries, and Eastwood, the 74-year-old actor-turned-director. // Once one of the screen's archetypal tough guys, Eastwood was also nominated for best actor for his role as the world weary gym owner who comes alive as he trains a female boxer, Hillary Swank, who was nominated for best actress. (JT 05-01-28, 8)
 最優秀監督賞のノミネートは2人の尊敬されるベテラン ――63 才、アカデミー賞は過去6度の挑戦でいまだに獲得していないスコセッシ氏と、74 才、俳優から転進した監督のイーストウッド氏―― の一大対決となった。かっては映画界の典型的なタフガイの一人であったイーストウッド氏は。世間にくたびれたボクシングジムの経営者 ――女性ボクサー、ヒラリー・スワンク (最優秀女優賞にノミネート) をトレーニングするうち元気を蘇らせる―― の役で最優秀男優賞にもノミネートを受けた。

▼ 「 A より転じての B 」 ≪ A turned B ≫ ( A と B はいずれも名詞相当語句、turned は過去分詞)

  この言い回しは一種のイディオムといえる。まず構文的には、"turned B" において "B" は自動詞 "turn" の補語。そして過去分詞である "turned" は形容詞的にその前の "A" を修飾している。また "A turned B" は、この全体がこれで一つの名詞相当語句である。したがって逐語的な意味は、「 B に転じた (転じている)A 」 と取るのが自然であることになる。(掲記したものにくらべて "A" と "B" が入れ違いになっていることに注意) そして実際に、英和辞典にも次の例文とその和訳文とがある。ex. He's an academician turned statesman. 彼は政治家に転向した学者だ (ORE1) しかるに――
  しかるに、いま上掲の英文において明瞭に観察できるように、実はこの表現は、それとはむしろ反対方向の意味で使われることが多い。つまり掲記したように、「 A から転じた (転じている)B 」 の意味である。 (「現監督の元俳優」 などとは E 監督にたいして失礼)。 すなわち、次の英和辞典にあるように。 ex. He is a Christian turned Buddhist. 彼はキリスト教徒から仏教徒に転向した人だ (KLM1)/ The essay was written by a politician turned critic. その随筆は政治家だった批評家の手になっていた (KNE6) いわば脱文法?的であるが、やはりこちらが正解である。ちなみに英英辞典の OAL には括弧書きの言い換えが示されている。 ex. He is a lawyer turned politician. (= He used to be a lawyer but is now a politician.) (OAL6) また薬袋善郎氏の指南書でもこの訳し方が教えられている (MNI 209-10)。
  またついでながら、当面調べている英和辞典 8 点の中にこの表現への言及が存在するのが上記の 3 点だけであった。しかし英英辞典では上記の OAL のほか LGM4 に 3 つの実例、世界の最高権威 WBS3 にも 2 つの実例が出ている。はっきり力を入れているといえる。わが国の英和辞典dでの現状は少し不可解である。  ―― 【G4】 (新しい版からあらたに次の例文が加えられた。 ex. Sally Quinn is a reporter-turned novelist. サリー=クインは新聞記者から小説家になった (TGE2) ただこの和訳文のつけ方にはあまり賛成できないが。)
  なお最初に戻るが、"turn" のような自動詞の過去分詞が名詞を修飾する場合のことは come 1 (動)の項目で扱った。また、それに関連する項目として become (動)を参照。 参照文献  ホーム  || ADDENDA


typically (副)
 R & D {Research and Development] expenditures symbolize the Finnish resolve to preserve a comfortable place in a globalized world for an under-populated nation with thousands of lakes and billions of trees. Typically, the decision to spend so much on scientific research and the adaptation of its results to commercial purposes was the result of a broad political consensus. Finland steadily increased government spending on R & D throughout the 1990s, when all other spending was either cut or frozen. (JT 05-07-19, 17)
 研究開発費は、数千の湖と数十億の樹木をもった人口の少ないこの国がグローバル化された世界の中で快適な位置を保持しようとする、フィンランドの決意を象徴するものとなっている。概していえば、科学的研究とその成果の商業目的への適用にかくも多額の出費を行なおうとする決定は、幅広い政治的コンセンサスの結果なのであった。フィンランドはそれ以外のあらゆる支出が削減または凍結されていた 1990 年代をつうじ、一貫して研究開発費の国庫支出を増大させていたのである。

▼ 「一般的に言って」

  つまり、「(いかにも) 典型的に」 ではなくて、 「典型的には」 「いま典型を言うならば」 である。この違いは論理操作の上でかなり大きな違いになる筈である。すなわち、(ある特定のものが) そのようである、ということと、特定をされない多数一般のものがそのようである、ということとの違いであるからだ。当面の用法はこの後者にあたっている。
  ただ多くの英和辞典はこの違いにあまり十分に注目をしていない。訳語としてなら 「一般的には」 がどの辞書にも挙げられているものの、そこに例文はない。けれどもこれは KNE が行なっているように、一つの独立の意味項目のもとで次のような例文を提示するべきであると思う。 ex. Typically, winter in Japan is mild. 概していえば日本の冬は温暖である (KNE6) なぜなら再度言うけれどもこれは日本語の表現如何にとどまらぬ、普遍的な論理のあり方に関わっているゆえ。 KNE に拍手。 なお用例として、 into (前) の項目の英文をも参照。  参照文献  ホーム





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