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back (副)
 Aldrin is a space entrepreneur, and he had come to Orlando, Fla., for a portentous event, the first Space Exploration Conference, sponsored by the National Aeronautics and Space Administration, Lockheed Martin and other firms and organizations with a big stake in space. The context of the conference was a startling fact: The U.S. has vowed to send people back to the moon. Then to Mars. Then all over the solar system. This is the President's directive, embraced by NASA. It is called the Vision for Space Exploration. (JT 05-05-25, 14)
 オードリン氏は宇宙事業家である。そして彼がフロリダのオーランドに来たのは一つの驚くべきイベント、第一回 「宇宙探査会議」 のためである。これは NASA、ロッキード=マーチン社、その他宇宙に大きな野心をよせる企業や団体によって支援されているものだ。 // この会議の背景になっているものは驚くべき事実である。すなわち、アメリカは月にふたたび ――その次に火星に、次にまた太陽系の全域に―― 人類を送り出す、との公約を行なっているのである。これは大統領が命令したことで、NASA はそれを喜んで受諾した。この公約は 「宇宙探査ビジョン」 と呼ばれている。

▼ 「またあらためて」

  上の英文の当該部は、月に人間を 「帰す、戻す」 とは少し違っている。行って何かを拾ってきただけのところなので。また、たとえば一度行ったことのある料理店にまた行ってみる、というときもこの "back" を使うようである。 ex. call back また電話をかける (KDS1) 
  これは語法辞典 KNSA に 「既にあった行為を繰り返す (やり直す) ことが表わされる」 として説明されている用法にあたる。 ex. I am going to play back some of the statement you made to the police. 君の警察での供述の一部をもう一度テープで聞いてみよう (KNSA 247) ただし各英和辞典の対応はかならずしも十分といえない。たんなるニュアンスの問題、と見られているのだろうか?  【G4】 【L2】 参照文献  ホーム


badly (副)
  As far as the full-contact listening that Skype requires, I don't think we want that all that often from people who aren't already in our house. The fact is, we don't really want to see other people that badly . (TE 10-01-18, 48)
  Skype(スカイプ)で必要とされるフルコンタクトの聴き取りに関していえば、私はすでにわが家を訪れているのでない他人にそれをしてもらいたいと思うことは、そう度々あるものではないと思っている。実際のところ、われわれは他人の姿を見たいなどと、そんなに強く思うことなど本当はありはしないのだ。

▼ 「非常に」

 善悪に関わりなしに用いる。口語表現。 ex. He is badly in the need of advice.彼は助言をひどく必要としている (KNC6) 参照文献  ホーム


bank (名)
 Inside the "War Room," as it is informally called, Israeli Soldiers gaze at banks of computers and television screens. What they see are images of the wall or fence or barrier -- it is all these things in different places -- that is transforming the physical and mental landscape of the Israeli-Palestinian conflict. Their job is to stop anyone crossing the barrier and so make Israel safer. (NTW 04-07-18, 4)
 「ウオールーム」と非公式に呼ばれている部屋の中で、イスラエルの兵士たちがずらりと並んだコンピューターとテレビのスクリーンに見入っている。彼らが見ているものは壁、あるいは柵、あるいは遮蔽物の映像だ。見えているのはすべてこれらのもので、ただこれはさまざまの場所にある。そしてこれが現在、イスラエル=パレスチナ紛争の物理的、精神的風景を変容させようとしているのである。彼らの任務は遮蔽物を越えようとする者をすべて阻止すること、それにそれによってイスラエルをより安全な状態にすることである。

▼ 「一並びの列」

  ずらりと並んでいるのである。ex. a bank of elevators 一列に並んだエレベーター (ORE1)  参照文献  ホーム


barely (副) 
  When Newton published the “Principia” in 1687, the scientific community was still small, despite the pioneering work that had already been done. In the broader society, science was not yet held in especially high regard. The idea that science might have a role in guiding everyday human affairs was barely a topic of conversation. (NTW 03-11-30, 1)
 ニュートンが 1687 年に「プリンキピア」を出版したときに、すでになされていた先駆者的な仕事の存在にもかかわらず、科学者たちのコミュニティはまだ小さなものだった。より幅広い範囲の社会の中で、科学はいまだとりわけて著しい尊敬の目で見られてはいなかった。科学があるいは人間の日常諸般の事柄に指導的な役割をもつようになるかもしれない、といった考えは、いまだ会話のトピックとなることがほとんどなかったのである。

▼ 「おおむね ... しない」

  多くの英和辞典からは、この単語の意味がおおむね肯定的 ――「かろうじて ... する」―― であるような印象が得られる。たしかにそういう場合は多いが ――たとえば but 1 (副)get 3 (動)store (名) の項目の英文にあるように――、こうして明瞭に否定的な意味の場合もありうるし、それもさほど珍しいこととも思われない。あるいは近年に発達した語法なのかもしれないが。TGE や KNE にたいしてこの用法の本格的な (例文をそなえた) 採録を要望したいところである。 ex. I barely spoke to him. 私は彼にほとんど話しかけなかった (KNC6) ――【G4】 (この改版において、次の例文 (など) によってこの不足が補填されている。 ex. I have barely any friends in this neighborhood. この近所には友人はほとんどいません (TGE4) )  参照文献  ホーム  || ADDENDA 


bay 1 (名)
 A British Army officer in charge of building a railroad bridge over the Tsavo River, Lt. Col. J. H. Patterson, spent nine months pursuing the pair before he brought them to bay and killed them. Stuffed and mounted, they now glare at visitors to the Field Museum in Chicago. (NG 02-04, 42)
 ツァボ川における鉄道橋架橋を任ぜられていたイギリス陸軍仕官 J. H. パタースン中佐は、このペアの行く先々をつけ回しつつ過ごすこと 9 ヶ月、やがて彼らを追い詰めて、彼らを仕留めた。かくして剥製にされて、このペアは現在、シカゴにあるフィールド博物館への来館者たちをにらみつけている。 ――英文中の before he brought them については before 2 (接) の項目を参照。

▼ 「窮境、窮地」

  前置詞と結びつけて使われる。 ex. A bear at bay is very dangerous. 追い詰められたクマはとても危険だ。 (KDS1)
  英単語の中で 「こんな意味も」 というのがいちばん多彩なのがこの "bay" ではないだろうか。「湾」 「月桂樹」 「くり毛色」 「各種の仕切られた空間」 (この空間の種類がまたいろいろ。) そして 「犬が (獲物にむかって) 吠えたてる」 という動詞があって、おそらくそれとの関連でこの当面の意味が成立しているように見える。 参照文献  ホーム


bay 2 (名)
 They also choose the family male and are not shy about demanding what they want from him, whether it is grooming, fighting on their behalf, or sex. // And that was why Pete was in trouble. A one-handed male would have great difficulty pleasing his consorts while keeping younger bachelor males at bay . (NG 02-11, 116)
 彼女ら (猿) はまた家族のための雄 (オス) を選定するし、さらになんら恥じらいを感じることもなく雄にたいして彼女らの望むこと ――それが毛づくろい、代理戦争、セックス、のいずれであろうと―― を要求する。 // そしてこれがすなわち、ピート (猿の名前) が困っている理由なのだった。つまり片手使いの雄にとって、連れ合いたちを喜ばせ、また他方で年下の独身者どもを近寄らせないようにしておくのは非常に困難なことになりそうだったのである。

▼ 「 〜 を寄せつけない」 ≪keep 〜 at bay≫ ( 〜 は名詞相当語句)

  これはイディオム。 ex. Keep an enemy (a disease) at bay. 敵を (病気を) 寄せつけない (KNE6)  また、次は英英辞典にあるもの。 ex. I am trying to keep my creditors at bay. (OAL6)  この債権者たちは前項目 bay 1 (名) の英文にある当事者とは立場が正反対ということになる。
  なお用例として、spell 2 (名) の項目の英文をも参照。 参照文献  ホーム


be 1 (動) 
  Like the 11th-century ruin of St. Cavan's Church, which must be constantly dug out of drifting sand, Aran islanders will endure. "We have a survival instinct," says one. "The spirit of what was is still here." (NG 96-4, 133)
 11世紀の聖キャヴァンの教会の遺跡――漂砂の中からたえず掘り起こされてゆくに違いない――と同じように、アラン島の島民たちもまた生き続けることであろう。「われわれにはサバイバルの本能があるのです」 島民の一人は言う。「過去に存在していたものの霊魂が、今でもここに存在しているのです」

▼ 「存在する」

  動詞 "be" が補語を伴わないで、また修飾語を伴わないで用いられている。これは一般的には古風な用法であるといえる。ex. I think, therefore I am. (TGE3) 参照文献  ホーム


be 2 (動)
 Many analysts say they expect the Internet to grow to about 15 percent of all ad spending within a decade. That could be enough to dramatically change the economics of TV. // Adding to the allure of the Internet for advertisers is its ability to track the effectiveness of many advertising campaigns. (JT 05-05-23, 15)
 多くのアナリストたちによれば、インターネットはここ 10 年以内にすべての広告経費の約 15 %を占めるまで成長すると予測されるという。もしもそうなれば、それはテレビジョンをめぐる経済を劇的に変革させるのに十分でありうるだろう。 // インターネットの広告主にたいする魅力をいちだんと大きくさせているものとして、インターネットでは多くの広告キャンペーンでその効果を追跡調査することができる、そうした能力の点があるのだ、

▼ 「 ... するものとして 〜 が存在する」 ≪ ...ing be 〜 ≫ ( "...ing" はなんらかの動詞の現在分詞。be は be 動詞の各種の定形、〜 は名詞相当語句 )

  ものの存在を表現する構文。これは中島平三氏の構文文典において新しい言語学の立場から、「提示文」 ――提示物を聞き手の眼前に提示する。観客の前の舞台に出すように。例: Waving gaily was a bright flag. (NKJ 122-23) ―― として説明されているものにあたる。
  実はまさに同じような目的をもって先頭に前置詞句 (場所などの) が置かれている形式 ――ex. On the platform was a strange looking man. フラットフォームには奇妙な風体の老人がいた (KNSV 91) ―― をよく見かけるが、当面の形式はちょうどそれにも並行している。 すなわちこれは形式上、一応倒置構文に属する。もっとも、ここでは先頭の部分を "what is ...ing" ( ... するもの) のように読み取る必要がある。そしてそうするとこちらが主語のようにも感じられてくるわけで、つまり意味上は、「倒置」 の感じはかなり希薄なのである。
  さて、英和辞典で "be" のところを見ると、実はこうした構文形式は、先頭が前置詞句である場合 (上記した) を含めて一切触れられていない。また、浩瀚な語法解説書 KNSV にも上に引用した例がただ一つ挙げられているにすぎない。この形式は何かしら不当に軽視されているようにも見えるのだが。
  またついでながら、一般にこうした構文形式は 「強調」 のため、(ARK 429-31) として説明される。しかし 「強調」 と言っても感情的情緒的強調と知的情報伝達的強調とがありうる。上記のように 「提示」 であるならばこれは知的強調に当たるであろう。伝統的な文法においてはこの後者のものにたいしてことさらの注目が払われてこなかった、ということになるのだろうか。 【G4】 【L2】 こちら の末尾をも参照。)  なお用例として affair (名) の項目の英文をも参照。  参照文献  ホーム  || ADDENDA


be 3 (動―定形)
 "My sense is that we are seeing the Middle East entering a new era, one in which external powers count for less, and local actors ――be they states or militias or individuals―― count for more," said Richard N. Haass, who headed the State Department's policy planning operation during President Bush's first term and is now president of the Council on Foreign Relations. (NTW 06-07-23, 1)
 「私は感じているのですが、中東は一つの新しい時代を、外部的武力がこれまでほどものを言わない、そして内部的武力 ――国軍であれ非正規軍であれはたまた個々人であれ―― がより多くものを言う時代を迎えつつあるのではないでしょうか」 ブッシュ大統領の第一期に国務省の政策企画活動を指揮し、現在は外交問題評議会の議長である R. N. ハース氏はこのように述べた、

▼ 「 〜 がかりに"... であろうと」 ≪ be 〜 ... ≫ ( be は be 動詞のこの形。"〜" は名詞相当語句、... はいろいろの形式でありうる。)

  すなわち "(even) if 〜 be ..." の "if" を省略し、"be" (これは仮定法現在) を先頭に置いている。 ex. Be it ever so humble, there's no place like home. いかに粗末であろうともわが家にまさる所はない (KNC6)   参照文献  ホーム


be 4 (助)
  "At the same time that you're seeing grown-ups in overalls, you're seeing eight-year-old girls essentially wearing push-up bras," noted Walerie Steele, director of the Museum at the Fashion Institute of Technology. "I think we've really reached a critical point of exhaustion with all this." (NTW 04-03-28, 4)
 「お子様用のオーバーオールを着ている大人を見かけるかと思うと、 8 才の女の子がなんと、プッシュアップタイプのブラを着けているを見ることもある始末です」 ファッションインスティテュートオブテクノロジーの W. スティール付属博物館長は指摘した。「こうして見るとほんとうにもう、することは全部しつくした限界のところまで来ていると思いますね」  ――英文中の essentially については essentially (副) の項目、 with all this については all 1 (形) の項目を参照。

▼ 「 いつも ... している 」 ≪ be ...ing ≫

  この進行形は、あることが経常的、日常茶飯事的でなく (それなら "you see") むしろ突発的、臨時的であるがただそれが繰り返して起こる、ということを表わす。 ex. My father is always losing his umbrella. 私の父は傘をなくしてばかりいる (KLM1)  この用法には非難の気持ちが含まれることが多い (KLM1) 、とされている。  参照文献  ホーム


be 5 (助)
 Despite a decade of transition to capitalism, Mr. Tinkov said, successful Russian businesses are still at odds with Russia's retro-statist government. // Even so, he said, capitalism in some form is in Russia to stay. though mixed with heavy doses of bureaucracy and cynicism. "Politicians don't want to lose power," Mr. Tinkov said. "They have to buy votes, they need money, and business has to pay. That's capitalism. ..."  (NTW 04-06-20, 5)
 10 年を経た資本主義への移行にもかかわらず、ロシアの成功した諸企業はロシアの反動的国家統制主義的な政府といまだにぎくしゃくとした関係にある、とティンコフ氏は述べた。// ただそれにしても。と彼は言う。ある形態のもとでの資本主義がロシアに根づこうとしている。ただそれは官僚主義と皮肉な側面とをたっぷり含んではいるが――。「政治家たちは権力を失うのを好みません」 ティンコフ氏は言う。「彼らは投票を買わなくてはならない。資金が必要です。財界が支弁する必要があります。つまりそれが資本主義なのです。  ...」

▼ 「 (やがて) ... することとなる」 ≪ be to do ≫ ( do はなんらかの動詞の不定詞)

  この形式の表わす意味の一つがいわゆる 「運命」 (成り行き) である。上の英文の例は現在にすぐさま接続した近未来のことに触れており "be going to do", "be about to do" にひとしいが、これもやはりその 「運命」 に属するとされるわけである。次は文法書にある例文。 ex。We can't tell what is to happen to us. どんなことが起こるかわからない (EGW 321) 
  もちろん 「運命」 (成り行き) といえば、たとえば After his accident, he was never to get a chance to play in a real game. 事故の後、彼は公式試合に出る機会を得ることは二度となかった (TGE3) のようなスパンの長い運命もありうる。いま、別の文法書にある次の定義を見よう。「『be 動詞 + to 不定詞』の用法は大きく二つに分かれる。一つは時を表す用法で、近接未来、計画された未来を表す。過去からみた未来は  ...しばしば運命を示す。もう一つは、可能・義務・命令などを示すものである」(YSI 219) すなわちこの前者が、当面のものであることになる。 なお用例として、 industry (名)purposes (名)values (名) の項目の英文をも参照。 参照文献  ホーム  || ADDENDA


be 6 (助)
 Kids Books is a comfortable pleasant store that developed out of a mail-order business. ... The selection of titles at the store is certainly attractive, with something of interest here for children of all ages. There is a good range of picture books and junior literature. Books on parenting and educational materials are also to be had. (JT 05-04-29, 21)
 「キッズブックス」 はメールオーダーの仕事を発展させた居心地のよい楽しい店だ。... この店の品揃えはまことに魅力的で、ここにはあらゆる年令層の子供たちにとって興味のもてる何かがある。絵本とジュニア文学の本は申し分のない手広さである。さらに子育ての本や教育関係の資料も入手することが可能だ。

▼ 「 ... されることができる」 ≪ be to be ...ed ≫ ( ...ed はなんらかの動詞の過去分詞)

  「可能」 をあらわす。 "be done" のように受動態が使われているときにのみこの意味になりうるようである。 ex. The ring was not to be found anywhere. 指輪はどこにも見つからなかった (TGE3)  参照文献  ホーム


be 7 (助)
  His day begins at 4:30 a.m. The 64-year-old retired math teacher doesn't own a clock or even a watch, but the internal alarm that has kept him alive while so many of his fellow North Koreans have starved to death tells him he had better get out to pick grass if his family is to survive. (JT 05-07-12, 12)
 彼の一日は午前 4 時 30 分にはじまる。この 64 才の退職数学教師は家に時計をもたないし、また腕時計すらもももたない。しかし体内の目覚まし時計 ――これが北朝鮮のかくも多くの同胞が餓死をしてきたさなか彼を生き続けさせてきた―― が、もしも家族を生き延びさせようというつもりなら出かけて行って草を摘むほうがいいぞ、と彼に告げるのである。

▼ 「もしも 〜 が ... することを望むのであれば ( 〜 が ... することが望まれるのであれば)」 ≪ if 〜 be to do ≫ ( 〜 は名詞相当語句、do はなんらかの動詞の不定形)

  なんらかの 「希望」 の存在を仮定する。ex. If everyone is to hear you, you must speak up. もしみんなに聞かせるつもりならもっとはっきりした声で話さなければだめだ (ORE1) なお、この例文と同じものは語法辞典 KNSV にも載せられている (KNSV 100)。
 さて、上の英文 (末尾) の事例は注意を要する。これは 「もしも家族を生き延びさせようというつもりなら」 であって、「もしも家族が生き延びようとするつもりなら」 ではない。たしかにここで "if ..." 節の形式上の主語は "his family" である。しかしこの場合、「望む」 人は "his family" ではなくて主節の中にある "he" である。つまりこの "if ..." 節には独立性がなくて、その意味はあくまでもセンテンス全体の伝達内容に従属している。すなわちこれが、この構文法の特殊、特徴的なところであるといえる。
  実はこの "if ..." 節は、たとえば ex. If you are to succeed in your new job, you must work hard now. 今度の新しい仕事で成功するつもりなら、君は一生懸命働かなければならない (TG3) のようになっている場合が多い。これなら "if ..." 節の主語は主節の主語と同じである。よって上述の事情は顕在化しないでもすむ。しかしこのようになっていないときが厄介で、そこでは "if ..." 節から一歩退いて、センテンス全体を見る立場からこの節を考える必要があるわけである。
  なお上記の TGE3 の例文のような場合は、当然ながらどの辞書にも記載があるしまた例文にもことを欠かない。しかし当面のようなむしろ少数派のケースは、TGE3 をはじめ多くの辞書において言及がなかった。この理由が私には分からないのであるが、少なくとも注意を促すために言及があった方がよいことは明瞭であろう。 【G4】 【L2】
 ――以上、自分なりにこの語法を検討してみた。KNSV の中に見る記述は簡単すぎて事実上何も説明されていない。いずれどこかに詳しい論述があるに相違ないと思うのだが。 こちら の末尾をも参照。)  参照文献  ホーム  || ADDENDA 


be 8 (助)
 To discover how people are coping with drastic urban growth, photographer Stuart Franklin and I went to Sao Paulo, Bangkok, Lagos, and Hyderabad. I was prepared to be overwhelmed, and I was. (NG 02-11, 78)
 都市の劇的な成長に人々がどのように対処しているかを見届けるために、写真家の S. フランクリンと私はサンパウロ、バンコク、ラゴス、ハイデラバードを訪れた。あまりのことに圧倒されるのを私は覚悟していた。そして、圧倒されたのである。

▼ 助動詞の ≪be≫

  受動態 "be ...ed" の "..ed" (なんらかの動詞の過去分詞) が省略になっている場合である。辞書では取り扱われない。しかし上の英文の例はあまり易しすぎると言われるかもしれないが。なお、ついでながら have 7 (助) をも参照。  参照文献  ホーム  || 来信



 the powers that be

 be yet to do


bear 1 (動)
 "We face danger three times: one when we fly on plane; two when we jump; three when we go to fire," Valeriy says, and the statistics bear him out. In the past three decades 40 Avialesookhrana firefighters have died on the job -- 24 while fighting fires, 11 while parachuting, four in aircraft accidents, and one by lightning. (NG 02-08, 88-89)
 われわれは三度、危険に遭います。第一。飛行機で飛んでいるとき。第二。パラシュートで跳ぶとき、第三。火事に立ち向かうとき。ウォラリー氏はこのように言う。そして統計がこのことの正しさを証明している。すなわち過去 30 年間にアヴィアレスーカラナ消防隊では 40 人の消防士が職務において落命しているが、その内訳は 24 人が消火作業で。11 人がパラシュートで、4 人が飛行機事故で、1 人が稲妻で、となっているのである。

▼ 「 〜 を証明 (立証) する 」 ≪ bear out 〜 ≫ ( 〜 は名詞相当語句)

  動詞 "bear" の用法は多彩なのでどれを取り上げたらよいか迷うのだが。ここでは "bear" が 「支える」 の意味で使われていると見てよいのであろう。 ex. The results bear out my suspicions. 結果は私の疑惑の正しさを証明している (TGE4)  上の英文の例では " 〜 " のところが代名詞なので "out" より前に来ている。 参照文献  ホーム


bear 2 (動)
 Isn't it bad enough that the hurricane season is still around? Now we have the world Series bearing down on us with all of its predictable sound and fury and heavy breathing signifying less than nothing. Karl Marx was wrong: The opiate of the masses isn't religion, it's spectator sports. What else would explain the astounding fact that millions of otherwise intelligent human beings feel that the athletic exertions of total strangers are somehow consequential? (JT 05-10-26, 19)
 ハリケーンのシーズンはいまだに終わってはいないが、これはよほど残念なことではないのか? 目下われわれが襲われつつあるものは、およそ完璧に意味をなさない響きと怒りと大音声を覚悟の限りですべてともなった、あのワールドシリーズなのである。カール・マルクスは間違えていた。つまり大衆の阿片は宗教ではない。阿片は観客スポーツである。いったいそれ以外の、何が説明になるというのだ? 余事にかけては知性を有したその数何百万という人々が、赤の他人の運動家としての奮戦に何やら重大性があると感じる、この驚嘆すべき事実にたいして。

▼ 「 〜 に押し寄せる」 ≪ bear down on 〜 ≫ ( 〜 は名詞相当語句)

  イディオムであるが、動詞 "bear" が 「向かう」 の意味で用いられていることになる。 ex。Don't bear down so heavily on him. 彼をそんなにひどくしからないで (KNC6) 参照文献  ホーム


become (動ー分詞)
 Secretary of State Condoleezza Rice played both good cop and bad cop with Russia this week, stroking Moscow as a strategic partner while rapping it for backsliding on democratic reforms. // But if Rice's 24-hour visit here made anything clear, it was the complexities of dealing with a Cold War foe become ally in the war on terrorism and major oil supplier in a fuel-hungry world. (JT 05-04-22, 5)
 ライス国務長官は今週、ロシアにたいして柔と剛2つの面を演じてみせた。つまりロシアを戦略的なパートナーとしてあやしつつ、その一方で民主主義的改革での後退を叱ったのである。// しかしもしもライス女史の 24 時間の当地訪問が何事かを明らかにしたとするならば、それは冷戦の敵国から転じた同盟国――テロリズムにたいする、また燃料不足勝ちの世界の中での産油国にたいする闘いにおける――を相手取って行くことの複雑さであったことになる。

▼ 「 A より変じての B 」 ≪ A become B ≫ ( A と B はいずれも名詞相当語句、become はこの動詞の過去分詞)

  当該部分の構文法が一瞬ハテと思わせないだろうか。実はこれは 動詞 "turn" による同じ性質の構文 turned (動) の項目で扱う) が下敷きになっている筈である。すなわちここで "become" という過去分詞が導く "become B" (「 B になった」) は名詞 A を形容詞的に修飾している。さらに " A become B " は、この全体が一つの名詞相当語句である。またちなみに、これを 「 B に変じた A 」 と訳さないでいる理由は、turned (動) を参照願いたい。
  辞書にはこの用法は出ていないがそれは "turned" の場合ほど一般的でないからであろう。ただ、これを英米人が苦にしないのならわれわれもまた苦にするべきでない。そういう性質の事柄であるのかと思う。なお、このようにして自動詞の過去分詞が名詞を修飾する形式については come 1 (動)gone (動)の項目をも参照。 参照文献  ホーム


before 1 (副)
  The presidential campaign has been going full bore for more than a year, but suddenly everything that happened before about a month ago seems irrelevant. Through the fog of partisanship, we can acknowledge that both candidates are good men. But good isn't enough. These times require greatness. (TE 08-10-27, 56)
 大統領選のキャペーンは一ヶ年以上にもわたって全力をあげて繰り広げられていたのだった.ところが今から一ヶ月ほど前のこと,それまでに行なわれてきたことのすべてが突如として無意味に見えるようになったのだ.党派的えこひいきの霧のかなたにではあるが,われわれは二人の候補者がいずれも良い人物であるのは認めることができる.しかし 「良い」 では十分にならない.この時代が必要としているもの、それは偉大さなのである.

▼ 「(過去のあるときを基準としてそれよりも) 以前に」

  これはあまりにも初歩的かもしれないが,上のセンテンスでは偶々隣りに "ago" (今よりも以前) も使われている。それであえて取り上げておきたいと思った. ex. He died [had died] two years before. 彼はそれより 2 年前に死んだ [死んでいた」 ORE1)  参照文献  ホーム


できるだけ英文の方を先にお読みください。



before 2 (接) (前)
 A week before Christmas 1992 Lauren Beth Rudolph ate a cheeseburger from a Jack in the Box restaurant in California. On Christmas Eve, suffering from severe cramps and bloody diarrhea, Lauren was admitted to the hospital. There she endured three massive heart attacks and fell into a coma before dying on December 28. She was six years old. (NG 02-05, 15)
 1992 年のクリスマス 1 週間前、ローレン B. ルドルフはカリフォルニアのあるファーストフードレストランでチーズバーガーを食べた。クリスマスの前夜、激しい腹痛と下血をともなう下痢に襲われてルドルフは病院に運び込まれた。病院で彼女は 3 度にわたる重度の心臓発作を経験し、昏睡状態に落ち、12 月 28 日に死亡した。彼女は 6 才であった。

 The Ghats serve as the principal watershed for all of peninsular India. Each June black, rain-heavy monsoon clouds sweeping in from the Indian Ocean are intercepted by the western summits and relieved of most of their burden -- more than 29 feet of rain falls annually in some sections -- before moving on to spill what little moisture is left onto the more gradual eastern slopes and the broad Deccan plateau beyond. (NG 02-01, 93)
 ガーツ山脈はインド半島全域にわたって最大の分水嶺の役目をはたしている。毎年の 6 月、インド洋から押し寄せてきた雨水で重たいモンスーンの黒雲が西ガーツの峰々によって遮られると、その積み荷の大部分のものが降ろされることになる。一部の地域での降水量は年間 29 フィート (約 10,000 _) を超える。そしてその後さらに進んで、残されているわずかばかりの水分を東側のより緩やかな傾斜面とまたその先の広大なデカン高原の上に撒き散らすのである。 ――英文中の what little moisture については what 4 (関形)の項目を参照。

 On June 11, 1957, the Atlas, America's first Intercontinental Ballistic Missile, took its inaugural flight from Cape Canaveral in Florida. // It lasted 24 seconds. The missile roared 10,000 feet before its engines failed. Tumbling out of control, the rocket fell through its own trail of fire before the safety officer on the ground sent a radio signal that told the wayward rocket to blow itself up. (NTW 06-07-09, 1)
 1957 年 6 月 11 日、アメリカで最初の ICBM (大陸間弾道弾) がフロリダ州ケープカナベラルから初の飛行を行なった。 // それは 24 秒間の寿命であった。ミサイルが轟音をたてて 1 万フィート進んだのちエンジンに不調が生じた。制御不可能の状態に陥ってロケットは火炎の軌道をえがいて下降し、そこで地上の安全管理将校が迷走ロケットに自爆指示の無線信号を送ったのである。

▼ 「  ...のことがあって、その後に これこれのことがある」 ≪  ... before ...ing ≫ (  ...はこの中に述語動詞を含んでいる各種の形式、...ing は動名詞)// ≪  ...before ......... ≫ (  ...はこの中に述語動詞を含んでいる各種の形式、......... はこの中に主語と述語動詞を含んでいる各種の形式)

  上記の 「 」 内は、かりに逐語訳をするならば 「 これこれのことがある前に  ...のことがある」 になる。そしてもちろん、大抵の場合にそれで片付く。しかしいまはあえて、そうでない場合を考えてみよう。
  いま上の二つの英文では 「第二の出来事に先立って第一の出来事がある」 ではなくて、むしろ事実上、 「第一の出来事があって引き続いて第二の出来事がある」 といった内容のことが述べられている。にもかかわらずこれらのような言い回しになっているのは、これがつまり英語にそなわった ――しかし日本語にそなわっていない―― 表現上の慣行だからなのであろう。
  なお 「前」 と 「後」 にまつわるこの事柄は英和辞典ではとくに注目されていない。単語というよりもセンテンス単位の問題だからかもしれない。しかし翻訳表現辞典 NKYT には次の例文があった。 ex. We visited India before going to Kenya. インドに立ち寄ってからケニヤに行った。(NKYT 71-72) もっともこの例ではこの訳し方もあるのだがうる、とされているだけである。私は当面、この訳し方でなければならない、と主張できるケースを取り上げているつもりである。 こちら の末尾をも参照。) なお用例として、bay 1 (名) の項目の英文をも参照。参照文献  ホーム  || ADDENDA 


believe (動)
  One of the bravest things I witnessed was the willingness of the Gaza fighters to believe in peace. After the peace agreements hundreds renounced violence and kissed their guns good-bye. (NG 96-9, 53)
 私が目撃することのあったもっとも勇気ある事柄の一つは、ガザにおける兵士たちのあくまでも平和を愛する、という意志なのであった。和平協定のあと、その数何百という兵士たちが暴力を放棄を宣言し、それぞれの銃にさよならのキスを施したのである。

▼ 「 〜 のよさを信じる」 ≪believe in 〜≫ ( 〜 は名詞相当語句)

  よく知られている用法かもしれないが、存在の有る無しを問う ("believe in God"「神の存在を信じる」) ものとはまた別の用法である。つまり上の英文の場合、「平和の実現を信じる」 の意味にはならないわけである。 ex. I don't believe in honey mooning abroad. 新婚旅行で海外に出かけるなんて意味ないよ (KDS1) なお用例として、 enough (形) の項目の英文をも参照。  参照文献  ホーム


belong (動)
  Why is it so hard for commentators to come right out and say : here is a man who seems to have a long history of contempt for women, who uses his celebrity to get away with sexual humiliation? Why does he belong in public life? Would that sound too square, too P. C., too, um, feminist? (NTW 03-10-05, 7)
 コメンテーターの人々は、なぜ正々堂々と次のように発言することが難しいのだろうか? すなわち、「今ここにいるのは女性侮蔑の長い来歴をもつように見える人物、自己の知名度を頼みにしてセクハラ問題を逃げ切ろうとする人物である。この人物が公人としての生活に何故ふさわしいのであろうか」 と。それではあまりにも真正直、あまりにも進歩主義的、そしてあまりにも、そう、フェミニズム風、に聞こえてしまう、ということででもあるのか?

▼ 「性質が合う」

  つまり 「所を得ている」 (SRH2) でもある。ex. She belongs in the movies 彼女は映画界に向いている (TGE3) またついでながら次項目 belonging (名) の英文を参照。なお用例として、 names (名) の項目の英文をも参照。 参照文献  ホーム  || ADDENDA


belonging (名)
 Americans define freedom as autonomy and mobility, which requires amassing wealth. said Jeremy Rifkin, an American writer who has published a book with the title "The European Dream: How Europe's Vision of the Future Is Eclipsing the American Dream," which makes clear his bias. "Europeans define freedom in community -- in belonging, not belongings. They put greater store on leisure and even idleness. We consider idleness to be almost a sin, like sloth." (NTW 04-08-15, 1-4)
 アメリカ人は自由であるということを自主、自律的であること、可動、流動的であること、と規定している。そしてそのことによって、富の蓄積が必要になるのである。――このように述べたのはアメリカの著述家、ジェレミイ・リフキン氏であった。同氏は 『ヨーロッパの夢: ヨーロッパの未来像アメリカの夢を凌駕す』と題した著書を公刊し、みずからの立場を次のように説明している。「ヨーロッパ人は自由とはコミュニティの中にある ――つまりそれは帰属をすることであって所持をすることではない―― 。と考えている。彼らは余暇を、さらに仕事をしないことすらを、より多く重要視している。一方われわれは仕事をしないことを、怠惰と同じようにほとんど罪に近いと考えるのであるけれども」

▼ 「所持物」

  普通名詞で、したがって複数形になりうる。身の回り品、貴金属、宝石を指すが、不動産などはこれに入らないようである。 ex. She carried her belongings tied up in a towel. (ORE1)
  上の英文で同じような単語が二つ並んでいるうちの前者は動名詞で、これは精神面での帰属 (形式上の帰属ではなく) を表わしている (前項目 belong (動)を参照)。 しかしそれにたいしてこの後者は物質的である。 この言葉の遊び (wordplay) はなかなか洒落ているようにみえる。 参照文献  ホーム


bench (名)
 The U.S. Presidential election came down to a woman and a black guy, as if the presidency were no more important than those last two Supreme Court seats at the end of the bench . The Republicans picked their Vice President using the same criterion as guys in an Alaskan bar: by going for the only chick there. (TE 08-12-25/ 09-01-05, 112)
  アメリカの大統領選挙はつきつめるところ、一人の女性 vs 一人の黒人男性、といった形に落ち着いた。あたかも大統領になるということに、ちょうど最高裁判所 ――裁判官職の終着点―― でもっとも遅れて実現を見たそうした二人の就任と同じ程度の重要性しかありはしない、とでも言わんばかりなのだった。つまり共和党は彼らの副大統領候補を選ぶのにあたり、アラスカのどこかのバーにいる男どもと同じことになる基準に従った。つまり、その場にたった一人だけいたキレイなお嬢様の肩を持つことにしたのである。

▼ 「裁判官の職」 ≪ the bench ≫

  あるいは、「裁判官全体 (集合的に)、裁判官席、法廷」 、など。 ex. Mr. Long was raised to the bench. ロング氏は裁判官に任ぜられた (KLM2)  ちなみに、 "bench and bar" で 「裁判官と弁護士」 (TGE4) である (上の英文に出ている "bar" はこれと違うが)。 参照文献  ホーム


benefit (名)
  The Oscar-winning film "The Lives of Others" was such a hit because it came as a genuine surprise to many educated Western viewers that the Stasi in East Germany was so oppressive. The tendency to give communist systems the benefit of the doubt was ingrained on the anti-American left. (TE 09-06-29, 104)
  アカデミー賞を受賞した映画『善き人のためのソナタ』(邦題)があのようなヒットとなったのは、旧東ドイツの国家保安省がかくも弾圧的であったということが西側の多くの知識層の観客にとって真の驚きであったからなのである。共産主義の体制のことをできれば好意的に見よう、という傾向は、アメリカの反体制的左翼の根深い体質となっていたのだ。

▼ 「 〜 について、疑わしきは罰せず」 ≪give 〜 the benefit of the doubt≫( 〜 は名詞相当語句)

  まだ疑いの段階にすぎない、ということを疑われている人 (事柄) にとって有利なこととして解釈する、ということである。次は英英辞典の例文。 ex. The referee gave him the benefit of the doubt. (LGM4) (英和辞典にはイディオムにたいして普通例文がでていない。) 参照文献  ホーム  || ADDENDA


best 1 (副)
 However、he believed that because "no word of abuse had reached the child consultation center," the office felt it had no legal authority to conduct on-site investigation and decided that the matter was best left to the school. (JT 05-12-20, 3)
 しかしながら彼の認識は、「児童相談センターには虐待についての噂は届いておらず」 センターは立ち入り調査を行なう法的権限がないと感じてこの事柄は学校に任せておくのが最善と判断していた、ということなのであった。

 The blues has found itself on various sides of America's divisions of race and class. It has been treated as a symbol of innovation and of backwardness, of evil and of righteousness, of times best forgotten and of lore that should never be lost, of frivolity and of revelation. (NTW 03-09-21, 8)
 ブルースはアメリカにおける人種的階級的分化の、さまざまな局面のうちに存在してきた。それは革新性と後進性、邪悪なるものと正義なるもの、忘れてしまうのが一番である時代と決して失われてしまうべきでない伝承、そして軽薄なるものと啓示であるもの、――これらのもののシンボルとして取り扱われてきたのだ。 ――英文中の has found itself については find 2 (動) の項目を参照。


▼ 「 ... されるのがいちばん」 ≪ be best ...ed ≫ ( ...ed は動詞の過去分詞)

  取られようとする措置を取ることの得策、不得策について述べる。つまり、措置そのものの出来、不出来を、あるいは容易さ、困難さを述べるのではない、すなわち上の英文の場合、「任せてしまうと(忘れてしまおうとすると)、それが一番うまく (思い通りに) いく」 、ではないのである。 ex. These memories are best refused. それは断るのが一番いい (KNE6)
  これは決して微妙な相違点ではない。構文上 "best" の修飾の対象になるもの (その統語的階層) は何か、という点での相違だからである。(「 〜 されるのがいちばん」 の 「いちばん」 は 「 〜 される」 という受動のプロセスの中に含まれていない。)  上の第二の英文ではここから "be" も省略されているのでこれはかなり要注意であろう。ただし英和辞典には "best" のこの使い方を取り上げていないものが多い。ちなみにこれは英英辞典の (LGM4) (OAL6) (WBS3) にもなかった。しかしこの注意点は、われわれが英語を日本語に移そうとするときまさに否応もなく浮上してくる事柄ではないだろうか。 参照文献  ホーム  || ADDENDA 


best 2 (副)
 You said that the women work here because they are making the best of things. But a lot of women here work for the same reasons women anywhere do. They open shops and work with children because that is what they love. (NG 02-03, Forum)
 当地で女性たちが働くのは苦しい暮らしをどうにか成り立たせていくためだ、と貴誌は述べられました。しかし当地でも数多くの女性が他のいずれの土地の女性とも変わらない理由で働いています。つまり、それが好きなことだからこそ、店を開いて、子供たちと一緒に働いているのです。

▼ 「最大限努力して 〜 を乗り切る」 ≪make the best of 〜 ≫ ( 〜 は名詞相当語句)

  ここで "〜" は 「なんらかの不利な状況」 である。すなわち少々特殊性のある使い方になっているが、これについては英英辞典の次の説明がきわめて参考になる。すなわち、 make the best of something = to accept a situation which is not very good, and do whatever you can to make it better (OAL6)
  また、より一般的に言って、この表現 (イディオムとしてかなり有名な方ではないかと思う) にはおおむね 「不利にさからって」 のニュアンスが付帯する傾向がある。この点が注意に値するのではないだろうか。 ex. make the best of one's moderate ability 並みの能力を最大限に生かす (TGE4) 参照文献  ホーム


betray (動)
 O'Sullivan tested more than 13,000 people for the ability to detect deception. She found 31 who were almost always able to spot a lie. They are "wizard" lie-detectors. "We hope that by studying our wizards, we'll learn more about the kinds of behaviors and ways of thinking and talking that can betray a liar to an experienced interviewer," O'Sullivan said. (JT 04-12-10, 15)
 オサリヴァン女史は欺瞞を察知する能力を求めて 13,000 人以上もの人々をテストした。彼女はほとんどどの場合でも嘘を指摘するすることの出来る、31 人の人物を見つけ出した。すなわちこの人々が嘘発見の 「鬼」 たちなのである。「われわれはわれわれの 「鬼」 を研究することで、経験をつんだ面接者に嘘つきを露呈しうる各種の行動や考え方、話し方について、より多くを学ぶことになるでしょう」 オサリヴァン女史はこのように言った。

▼ 「はからずも露呈する」

  すなわち他人を相手取ったことではなくて、自分自身の意図を裏切る形になる。ex. Confusion betrayed his guilt. うろたえたので彼の罪がばれた (KGR2) 参照文献  ホーム  || ADDENDA


better 1 (名)
  Last Sunday, during the Carling Cup final, Chelsea manager Jose Mourinho put his finger over his mouth as he turned toward Liverpool fans after Steven Gerard had scored a 79th-minute own-goal equalizer. //...// Such an action can incite supporters whose team has just conceded a goal. Emotions run high at such times and there is every chance that a supporter could let his frustration get the better of him and seek revenge for what he perceived as a derogatory gesture. (JT 05-03-04, 22)
 先の日曜日のカーリングカップ決勝で、チェルシーのホセ・モウリーニョ監督はスティーヴン・ジェラード選手が 79 分目の自殺点でスコアをタイに戻すと、リバプール側ファンの方を向きながら口に指をあててみせた。//...// こうした行為はひいきのチームが 1 点を失った直後のサポーターたちを煽り立てかねない。このような場合には感情が昂ぶっているものだ。そして一人のサポーターが自分の不愉快感を抑えきれなくなって、彼が侮辱的ジェスチャーと感じた事柄にたいして復讐を企てる、といった危険性は十分に存在するのである。 ――英文中の there is every chance については chance (名)の項目を参照。 

▼ 「 〜 を打ち負かす」 ≪get the better of 〜 ≫( 〜 は名詞相当語句)

  これはイディオム。なお、上の英文の当該部分は直訳的には、「彼の挫折感が彼 (自身) にたいして勝利する」 のを許す、となるところである。 ex. No one has got the better of him in an argument. 議論で彼にかなう者はいなかった (ORE1)  参照文献  ホーム


better 2 (形)
 Last spring, Mr. Bush declared that he would not tolerate a nuclear North Korea. As summer approached, he said he would not tolerate an Iran with nuclear capability. For the better part of the past eight months, he and his aides have said they would not tolerate outside interference in Iraq, nor challenges to the American objective of bringing democracy to the country. (NTW 03-08-31, 3)
昨春のこと、ブッシュ氏は核を保有する北朝鮮を容認しないであろう、と宣言した。夏が近づくと、彼は核保有能力をもつイランを容認しないであろう、と述べた。また過去 8 ヶ月間の大部分にわたって彼と彼の補佐官たちは、イラクにたいする外部からの干渉を、またイラクに民主主義をもたらそうとするアメリカの意図にたいする妨害を容認しないであろう、と述べてきている。

▼ 「 〜 の大半の部分」 ≪the better part of 〜 ≫ ( 〜 は名詞相当語句)

  一般に英語では形容詞の比較級を用いた表現が (日本語にくらべて) よほど頻繁に行なわれる、と言ってよいのではないだろうか。またそれはとにかく、それらは非常に択一問題向きであるといえる。 ex. He spends the better part of his earnings on drink. 彼は稼ぎの大部分を飲むことに費やしてしまう (KNC6)  参照文献  ホーム  || ADDENDA


body (名)
 A ball of fire erupts from a train car, smothering commuters with smoke and littering the platform with bodies and staining it with blood in a chilling security-camera videotape of the March 11 train bombings broadcast by a Spanish station. (JT 04-10-22, 7)
 火の玉が一つ、列車の車輌から飛び出してくる。煙で通勤客の呼吸を奪い、ホーム上に死体を撒き散らし、ホームを血によって染め上げる。――スペインのある局によって放送された 3 月 11 日列車爆破の、戦慄すべき保安カメラビデオテープの中のことだ。

▼ 「死体」

  英文はマドリッドでおきた通勤電車連続爆破テロに触れているもので、この事件は死者 192 人、負傷者 140 人と報じられた。ここでホームに投げ出されている人々の多数はこの場面ではまだ生存者かもしれない。しかし文章そのものとしては、"bodies" はやはり 「死体」 the body of a dead person (OAL6) を意味している。もはや "passengers" 「乗客たち」 ではない。そのように読むべきであると思う。
  実は英和辞典にはこの 「死体」 をあらわす場合の例文が乏しい。これは一種の盲点になっているといえるのではないか。しかし次は ORE に見られた例文である。ex. Only nine of the bodies have been identified. わずかに 9 体の死体だけが身元確認された (ORE1) 参照文献  ホーム


build (動)
 France has always sought a preferred position as a former power in Lebanon and Syria, complicating the effort to pressure Syria. The German foreign minister, Joschka Fischer, has sought to take a lead in the Israel-Palestinian conflict, building on close ties to both sides. As for military cooperation in the European Union, France and Britain have dominated. (NTW 04-02-22, 3)
 フランスはレバノン、シリアにおいて旧宗主国として常に特恵的な地位を追求し、これによってシリアへの圧力工作を複雑なものにしてきた。ドイツの J. フィッシャー外相はイスラエル=パレスチナ紛争に関し、双方にたいする緊密な繋がりを足場に先導的な役割を演じようとしてきた。また EU における軍事的協力の問題に関しては、フランスとイギリスの発言力が大きかった。

▼ 「 〜 を頼みにする」 ≪build on 〜 ≫ ( 〜 は名詞相当語句)

 何かをうち建てる、ということとはかなり違っていることになる。 ex. Don't build on his promise. 彼の約束をあてにするな (ORE1)   参照文献  ホーム


burn (動)
 He grew up on a farm in Utah, downwind from the Nevada Test Site. "One day I was out cutting hay, and there was this bluish gray haze in the air. The sweat on my arms and face felt like stinging nettles, and I had to take a rag and keep wiping off, because it burned so bad. By the time I was 18, I had thyroid cancer." (NG 02-11, 10)
 彼はユタ州の農場、ネバダ核実験場の風下で育った。「ある日私は表に出て干し草にする草を刈っていました。すると空中にこの青い灰色のもやが現われました。両腕と顔の汗が棘 (トゲ) のあるイラクサのような感じがして、それで私は布切れを持ってずっと拭き取りつづけていないといけなかったのです。とてもひどくヒリヒリしたのでね。18 になったとき、私はもう甲状腺の癌にかかっていました」

▼ 「ひりひりする」

  この用法では 「熱、熱さ」 と関係がないことになる。上の英文でも 「熱い」 と感じたのではない訳である。 ex. My cut really burns. 傷口が本当にひりひり痛みます (TGE4)  参照文献  ホーム


but 1 (副)
 It's too soon to evaluate the current mainland team of President Hu Jintao and Premier Wen Jiabao, barely out of their rookie season. The prior team of Jiang Zemin and Zhu Rongji might arguably be viewed as but capable engineers who followed the blueprint of the little master-builder, except for one exceptional and historic chapter in their term: the sailing of post-British colonial Hong Kong in 1997 into the full complex matrix of the "one-country, two systems" formula concocted for this long anticipated occasion many years before by the late Deng. (JT 05-12-20, 13)
 中国本土における現在の胡錦涛国家主席と温家宝国務院総理のチーム ――ルーキーとしてのシーズンを終えるか終えないか、といったところ―― に評価を下すのは時期尚早のことである。しかるにその前の江沢民国家主席と朱鎔基国務院総理略歴のチームは、せいぜいがあの身の丈の小さな大棟梁の描いた設計図を実行に移した有能なる技術者たち、とみなされるのがまず妥当なところなのであろう。――もっとも彼らの任期中にはあの異例的、歴史的な一章、1997 年の、旧英国植民地香港の 「一国二制度」 方式なる完璧に複雑なモデル ――これは長らく予定されてきたこの機会のために故登小平氏によってはるか以前に案出されていたものだ―― への船出もありはしたのだが。  ――英文中の the late Deng については late (形) の項目を参照。

▼ 「ただたんに」

  すなわち "= only" (LGM4)  ex. I have but just seen him. たった今会ったばかり (KGR2)  参照文献  ホーム


but 2 (副)
  "My proposal is that the Kerry campaign run a 30-second ad which is nothing but John Kerry sitting on a couch and eating pretzels without involving paramedics at all," Mr. Katz said. "Guys can't help but be impressed by that, if he can get to the bottom of a bag of pretzels without someone having to call an ambulance." (NTW 04-05-23, 4)
 「私の提案はケリー候補のキャンペーンが 30 秒のテレビ CM を打つことで、それはジョン・ケリー氏がカウチに座ってプレッツェルを食べている、ただそれだけでのことで、そこには看護婦さんなどは全く出てこない、というものです」とカッツ氏は言った。「みんなこれにはどうしたって感銘をうけるでしょう。もしも誰かが救急車を呼ぶ必要がないままにケリー氏がプレッツェルの袋の底まで到達することができたなら、ですが」

▼ 「 ... ぜずにはいられない」≪ cannot help but do≫ ( "do" はなんらかの動詞の不定形)

  すなわち "cannot but do"、"cannot help ...ing" と同じ。したがって "but" そのものは事実上ただの冗語的な存在になっている。 ex. I couldn't help but sleep. 私は(眠くて)つい眠りこんでしまった (KLM1) これはアメリカ語としては確立された語法、イギリスにおいて稀であるとされている (EGW 339)。一般にアメリカ語にはかえって古めかしい感じの語法もあるがそうした一例といえる。
  なお、英和辞典ではこの語法はきまって "help" のイディオムとして示されているが、この場合は "but" からも "help" への参照案内が施されるべきである。しかしそれが行なわれている辞書は調べたかぎりで (SRH2) (ORE1) だけであった。 【G4】 【L2】 辞書でこの "but" のことを調べたい人は多い筈と思うのだが。  参照文献  ホーム


but 3 (接)
 "We may say that we shall not abuse this astonishing and hitherto unheard of power," Burke wrote of the British empire in the 1770's. "But every other nation will think we shall abuse it. It is impossible but that sooner or later, this state of things must produce a combination against us which may end in our ruin." (NTW 04-05-16, 3)
 「われわれはこの驚くべき、かって聞かれたことのない国力を濫用することはないであろう、とわれわれみずからは称するかもしれぬ」 1770 年代のイギリス帝国についてバークはこのように書いた。「しかしあらゆる他の国々は、われわれはこれを濫用するであろう、と考えることであろう。そして、遅かれ早かれこの現状がわれわれにとっての逆風となる事象の複合――結果はわれわれの破滅にも終わりかねない――を作り出す。この必然性を否定することは不可能なのである」

▼ 「  ...ではない (ということ)」 ≪ but that  ...≫ (  ...の中には主語、述語動詞が含まれる)

  すなわち、内部に (外部でなく) なんらかの "not" の意味がそなわっている "that  ..." 節と同じことになる。 ex。He is not such a fool but (that) he can tell that. それぐらいのことがわからないほどばかではない (KGR2) それがまたこのように二重否定的に使われるわけである。
  この否定の "but" は明瞭に古風である。今日新聞にこの語法が見られるときは、いずれ何かの引用の形でしかありえないと思われる (上の英文のように)。また、"but" にはそもそもそれ自体が否定を包含する性質があった。たとえば諺の "It never rains but it pours." ――どしゃ降りにならずして雨は降らず。災難は一度にまとめて訪れる―― にそれが現われているように。この点は文学部的知識としてはかなり重要かもしれない。なおこの "but" の用法にはさらにいろいろとややこしいバリエーションがあるようだがそれは省略する。  参照文献  ホーム



 all but

 anything but

 but then


by 1 (副)
  Slipping under a homespun silk sheet, an Ecuadorian purple tarantula prepares to sleep by day. At night the spider, shown life-size, will wait on a branch for breakfast to come blundering by : an insect moving from rain forest floor to tree canopy. (NG 96-9, 101)
 ホームスパンの絹のシーツの下にもぐりこみ、エクアドルム23:48 2011/01/0123:48 2011/01/01ラサキタランチュラは昼の間の眠りの準備に入る。夜になるとこの蜘蛛 (写真は実寸大) は木の枝にとまって、朝食がノコノコと通り掛かるのを待つことになる予定だ。それはつまり、雨林の地表から樹木の大屋根へと移動してゆく虫たちなのだが。

▼ 「かたわらを (通り) 過ぎて」

  移動をあらわす動詞とともに用いる。ex. Time goes by. (KNC6)    なお用例として、generation (名) の項目、 school (名) の項目の英文をも参照。 参照文献  ホーム


by 2 (前)
  Nomads by tradition, these families are refugees from the Negev Desert of southern Israel who were stranded in Gaza after the 1948 war. (NG 96-9, 42)
 慣習を言うなら遊牧民であるこれらの家族集団はイスラエル南部のネゲヴ砂漠から来た難民で、1948 年戦争の後ガザ地区に取り残されたのである。

▼ 「. . . にもとづいて言うと」 ≪by 〜≫ ( 〜 は名詞相当語句)

  判断の基準をあらわす。上の英文の例を 「慣習にしたがって」 ではない。ex He is kind by nature. 性質はやさしい (KDS1)  参照文献  ホーム


by 3 (前)

  It was all enough to make observers like the Washington Post's Anne Kornblut despair that the campaign "set back the cause of equality in the political sphere by decades."   (TE 10-11-08, 60)
  このことはワシントンポストの A コルンブラットのような観測者に「このキャンペーンは「政治の領域で "平等" という大義を数十年相当分も後退させた」、と嘆かせるのにまさに十分であった。  ――英文中の cause については cause (前) の項目を参照.

▼ 「 ... だけ」 ≪by 〜 ≫ ( 〜 は名詞相当語句)

 程度を表わす。 ex. My sister is younger than me by two years. 妹は私より二つ年下だ (KLM2) . 参照文献  ホーム





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